デザインブームの火付け役、テレンス・コンランの人物像に迫る日本初の展覧会が開催へ

AI要約

テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする展が東京ステーションギャラリーで開催される。コンランの人物像に迫り、初の日本展覧会となる。

コンランの経歴や功績、生活文化への影響、展示作品について紹介する。

デザインによる世界の変革と生活空間から都市までを視野に入れたコンランの功績を再評価。

デザインブームの火付け役、テレンス・コンランの人物像に迫る日本初の展覧会が開催へ

 「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」展が東京ステーションギャラリーで10月12日から来年1月5日まで開催される。イギリスの生活文化に大きな変化をもたらし、デザインブームの火付け役にもなったコンランの人物像に迫る、日本で初めての展覧会となる。

 サー・テレンス・オルビー・コンラン(Sir Terence Orby Conran、以下コンラン)は1931年ロンドン生まれ。テキスタイルや食器のパターン・デザイナーとして活動を始め、1960年代にホームスタイリングを提案するショップ「ハビタ(habitat)」をチェーン化して成功を収めた。1970年代からはセレクトショップ「ザ・コンランショップ(THE CONRAN SHOP)」を展開。そのほか、レストラン事業や出版業、都市開発を手掛け、1989年には世界初のデザイン・ミュージアムを設立。デザイン分野での功績と文化事業が評価され、1983年に英国王室より騎士(Knight Bachelor)に叙勲。2020年に自邸で88年の生涯を閉じた。

 今回の展覧会では、パターン・デザインした食器やテキスタイルなどの初期プロダクト、家具デザインのためのマケット(模型)、ショップやレストランのためのアイテム、発想の源でもあった愛用品、著書、写真、映像など300点以上の作品や資料を、彼から影響を受けた人々のインタビューを交えて展示する。会場では、新しい書籍や展覧会グッズも販売。また、来年4月19日から6月8日まで福岡市美術館に巡回を予定している。

 「Plain, Simple, Useful(無駄なくシンプルで機能的)」なデザインが生活の質を向上させると信じ、生活空間から都市、社会までを視野に入れ、デザインによる変革で世界に影響を及ぼしたコンラン。その偉業に改めて注目が集まる。