1日1組限定の滞在型アートプロジェクト「不時泊」がスタート

AI要約

団塚栄喜が手掛ける自然を感じながら滞在を楽しむアートプロジェクト「不時泊」が立ち上がった。

5つの異なるコンセプトの宿泊施設があり、それぞれが独自の魅力を持っている。

2024年6月より順次開業で、自然との共生を体験できる。

1日1組限定の滞在型アートプロジェクト「不時泊」がスタート

多くのランドスケープデザインを手掛け、国内外で高い評価を受ける団塚栄喜が自然を肌で感じながら滞在を楽しむアートプロジェクト「不時泊」を立ち上げた。日本の原風景に強く惹かれ、さまざまな風景を司ってきた団塚が約8年かけて完成させたのは、それぞれコンセプトの異なる5つの宿泊施設、大分県竹田市「PERMA(パーマ)」、竹田市久住高原「IROA(色空)」、竹田市神原「LUTEN(流転)」、佐伯市大入島「HASO(波礎)」、そして神奈川県横須賀市「IKUSA(居草)」だ。

歴史的な文化遺産や史跡が残る城下町、大分県竹田市に立つ「PERMA」は、昭和の時代より人気のパーマ屋だった建物を再生可能エネルギーで利用できるようにリノベーションした施設。限りある資源を活用する滞在により、未来のライフスタイルが見えてきそうだ。

「IROA」は、標高約1,700メートル級の山々が連なる、くじゅう連山のふもとに佇むテント型のコンクリートシェルター。目の前には高原と山岳の風景が果てしなく広がる。ここには電気もガスも水道もない。必要な水は、スタッフが名水の里、竹田の湧水を汲み、準備。テラスでは薪を使ってバーベキューや屋外バスを楽しむことができる。

「LUTEN」は、ユネスコエコパークに指定されている祖母山の源流、神原渓谷にある秘密基地のような場所。渓流には天然のイワメが生息し、周囲をヤマシャクヤクやブナ、ツガなどの原生林にが囲むなど、四季折々の風景を全身で味わえる。澄み切った空気と大自然の清らかさに身を委ね、究極のくつろぎを体感したい。

大分県南部の佐伯港からフェリーで約10分、300種類以上の魚介類が集まる豊かな黒潮の海に浮かぶ大入島は、団塚が生まれ育った地でもある。静かな海岸線に立つガラス張りの「HASO」のデッキには、屋外バスやバーベキューを用意。自転車で島を一周したり、魚釣りを楽しんだり、無邪気な遊び心が刺激される滞在を楽しめる。

神奈川県横須賀市の築100年を超える木造建築を、団塚が5年以上かけて改築した「IKUSA」。山の上に位置するこの施設からは、日の出と日の入りの風景を眺めることができ、春には満開の桜が風景を彩る。163平方メートルの空間には、茶室や神大杉のテーブル、神棚、囲炉裏、溶岩風呂がある。

「不時泊」は、2024年6月より順次開業。それぞれの場所にしかない時間軸や風景に触れ、自然との共生について思いを馳せてみてはいかがだろうか。