夏に悩まされる片頭痛や緊張性頭痛、エアコンによる“冷え”も原因に 食べ物や漢方でできる対策は?

AI要約

夏は体の不調が起こりやすい季節で、片頭痛や緊張性頭痛が特に悩みの種となります。

夏特有の気候や冷房による冷えが頭痛の原因となり、脱水や熱中症にも注意が必要です。

日差しや冷房の影響を和らげるための対策として、適切な服装や温度管理が大切です。

夏に悩まされる片頭痛や緊張性頭痛、エアコンによる“冷え”も原因に 食べ物や漢方でできる対策は?

暑くなる夏は体の不調が何かと起こりがち。片頭痛や緊張性頭痛も夏に悩まされるケースが多いという。そこで薬剤師の山形ゆかりさんに、頭痛が起こる夏特有の原因をふまえて、予防・解消に役立つ食事や漢方薬について教えてもらった。

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夏特有の気候や冷房による冷えは、頭痛を引き起こす原因になります。

◆夏特有の気候や強い日差し

脳神経のひとつである三叉神経が刺激されることが原因の片頭痛は、ストレスやホルモンバランスの乱れなどの内的要因、夏特有の高温多湿な気候や日差しなど三叉神経を刺激する外的要因で起こります。

さらに、夏の台風や大雨による気圧の変化も頭痛を引き起こす要因のひとつです。低気圧になると自律神経のひとつである交感神経が活発になり、血管が拡張され、三叉神経を圧迫するため、頭痛が起こることがあります。

脱水や熱中症の症状としての頭痛も、夏に起こりやすくなります。気圧などが理由の頭痛と違い、脱水や熱中症は命に関わることもあるので、思い当たることがあれは水分を補給したり、休んだりするなど、頭痛を我慢せずに対策をしましょう。

◆冷房による冷え

緊張性頭痛は、頭全体、もしくは後ろ側に圧迫感や締め付け感のある鈍痛が特徴で、主に血行不良によって起こる頭痛です。冷房が効いた室内で過ごすことで体が冷えると、肩や首などの筋肉が収縮して血流が悪くなるため、緊張性頭痛が起こりやすくなります。

冷房の効いた室内と蒸し暑い外との気温差による、自律神経の乱れも頭痛の原因のひとつです。気温差が激しい環境を行き来することで体温調整をする自律神経へ負担がかかります。血管の拡張・収縮をして血流をコントロールする役割を担っている自律神経のバランスが乱れことで血行不良が起こると、頭痛を引き起こすことがあります。

これらの夏特有の頭痛を予防・解消する方法を知って、対策をしましょう。

◆日差しや暑さによる刺激を防ぐ

刺激による頭痛を防ぐには、日差しが強く気温が高い9~15時の外出を避け、できるだけ朝夕の涼しい時間帯に出かけるのが理想的ですが、それが難しい場合は、帽子やサングラス、日傘などで日差しをガードしましょう。日差しを防ぐことで体感温度も下がり、暑さによる刺激を和らげることにもつながります。

◆冷えによる血行不良を防ぐ

血行不良による頭痛を招かないよう、体を冷やしすぎないことを意識しましょう。

体の負担が少ない理想の室温は28℃ほどといわれています。実際の室温や湿度、窓からの日差しなどの状況に合わせて冷房の設定温度を調整する、エアコンの自動運転機能を利用するなどの方法で、体を冷やしすぎない快適な室温を保つようにしましょう。

冷たい空気は下に、暖かい空気は上にたまりやすいため、涼しさを感じるまでに時間がかかることがあります。そのようなときに冷房を強めると、部屋の冷やしすぎにつながります。サーキュレーターや扇風機で冷気を循環させるなど、室温のムラを減らすことも有効です。

自分で冷房の温度を調整できない外出先では、カーディガンやストール、ひざ掛けなどを利用するといいでしょう。

冷たいものを飲むと体が内側から冷えるので、できれば常温や温かい飲みものを選びましょう。