【旬のオクラ】実はネバネバは“正体不明”なの?保存は「ネットのまま」はNG? 栄養士ライターが解説!

AI要約

オクラの栄養について取り上げた内容。ビタミンやミネラルが豊富で、特に夏に旬を迎える野菜として注目されている。

オクラの特徴的なネバネバ成分について。粘性物質の働きや腸の健康への影響が解説されている。

ネバネバ感を引き出す調理法や注意点について。水や酢の追加がネバネバ度に影響を与えることが説明されている。

【旬のオクラ】実はネバネバは“正体不明”なの?保存は「ネットのまま」はNG? 栄養士ライターが解説!

 北アフリカ生まれのオクラが日本に伝わったのは、江戸末期の幕末。ハイビスカスに似た美しい花をつけることから、昔は観賞用として親しまれていたとか。現在は、ハウス栽培の発展で一年を通して食べられるようになりましたが、本来の旬は夏です。生命力の強い野菜とされ、暑い夏を乗り切るための栄養が詰まっています。そんなオクラの栄養について取り上げたいと思います。

 オクラは、緑黄色野菜の一つ。体内でビタミンAに変わり、皮膚や目の健康を守る働きや抗酸化力の高さで知られるβ(ベータ)-カロテンが豊富です。骨や歯を丈夫にするビタミンK、正常なDNAを作る手助けをする葉酸、免疫力を高めるビタミンC、お互いに協働しあって筋肉や内臓を動かすカルシウムとカリウム、腸内環境を整える食物繊維については、同じ夏が旬のインゲン豆(さやいんげん)よりも多く含まれています。また、旬の夏採りのオクラに含まれるビタミンCは、ほかの季節に収穫されるものよりも多いとされています。

(※)オクラ・インゲン豆ともに、緑黄色野菜の基準である「可食部(食べられる部分)100gあたりのカロテン含有量が600μg(マイクログラム)以上」にはわずかに届いていませんが、食べる回数や量の多さなどから緑黄色野菜に分類されています。

 オクラの特長として外せないのが、独特のヌメリとネバネバ成分。実は、この粘性物質については、まだ全てが解明されていません。水溶性食物繊維の一つであるペクチン、糖たんぱく質の一種(プロテオグリカン)、ガラクタンなどの多糖が混在しているとされています。わかっているのは野菜の中でもペクチンが多いこと。腸内を掃除して有害物質を外に出したり、短鎖脂肪酸の産生を増やして腸運動の活性化を促したりする整腸作用が期待されています。

 このネバネバ成分は、オクラを細かくみじん切りにして細胞壁を壊すことで引き出されます。さらに、刻んだオクラに大さじ1~2杯の水を加えると水溶性の食物繊維が溶け出してネバネバ感がアップ。逆に、酢と合わせると、せっかくのネバネバが半減してしまうので注意しましょう。また、あのネバネバが苦手という人はオクラを切らずに調理をするとヌメリが出にくいですよ。