「友好関係さらに深まる機会に」天皇陛下、ご訪英前の記者会見全文

AI要約

天皇陛下の英国訪問について、エリザベス女王からの国賓招待の喜びや感謝、両国の歴史的な交流、王室と皇室の間の緊密な関係について述べられている。

日本と英国の関係の歴史や交流、王室と皇室の間のさまざまな訪問や出来事に触れられており、両国の友好関係について強調されている。

最近の重要な訪問や交流にも言及され、今回の訪問を通じて両国の絆をさらに深め、双方の親善を固める意志が表明されている。

国賓としての英国ご訪問を前にした天皇陛下の記者会見全文は次の通り。

--令和2年にエリザベス女王から国賓としてご招待を受けて4年、両陛下によるイギリス訪問がようやく実現します。親善訪問の意義や抱負をお聞かせください。皇后さまはどのようにお考えでしょうか。イギリスの印象やご家族で話されていること、楽しみにされていることを教えて下さい

「令和2年に英国より御招待を頂いたものの、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により延期されていた私たちの英国訪問が、この度、改めて頂いた御招待により、実現の運びとなったことを大変うれしく思っております。御招待いただいた英国政府に対して、雅子と共に心から感謝しております」

「この間、御招待を頂いていたエリザベス2世女王陛下が亡くなられたことは本当に残念なことでした。御存命中に伺えなかったことが心残りです。私自身は、昭和61年、平成3年、平成13年に訪問を行ったほか、一昨年には、エリザベス女王陛下の御葬儀に参列するために二人で訪問いたしました」

「上皇上皇后両陛下には、数度にわたって同国を御訪問になっており、それぞれの訪問先のことや、心のこもったおもてなし、お会いになった方々の心遣いなどについて、折に触れて伺っております」

「このような背景の下、今回の英国訪問において、私が特に関心を払っていきたいと思っている点についてお話ししたいと思います」

「第一に、今回の訪問を通じて、我が国と英国との間に培われてきた交流の歴史に思いをはせたいと思います。両国間では、長きにわたり、王室と皇室の間、両国の政府・国民の間で幅広い交流が行われてきました」

「1600年、英国人のウィリアム・アダムスは、オランダ船リーフデ号で航海していたところ、現在の大分県に漂着し、江戸に招かれて徳川家康の外交・貿易の顧問となりました。その後、幕末から明治にかけて、1858年に日英の外交関係が開設され、1902年には日英同盟が締結されるなど、両国間の交流が活発になり、関係が深まりました。20世紀の両国の関係には困難な時期もありましたが、現在の日英両国は、経済、文化、科学技術、教育など、幅広い分野において緊密な協力関係を有しています」

「王室と皇室の間でも、明治以降多くの交流が積み重ねられてきています。昭和50年にエリザベス女王陛下御夫妻が国賓として来日されたことや、昭和61年に当時のチャールズ皇太子殿下御夫妻が公賓として来日されたことは、その時代を知る人々の心に今でも残っていると思います。最近では、平成27年に、ウィリアム王子、現在の皇太子殿下が、我が国を訪問されて東日本大震災の被災地である福島県と宮城県で被災者をお見舞いくださいました。また、令和元年には、チャールズ3世国王陛下が、皇太子として私の即位の礼に出席してくださったことは有り難いことでした」