人事担当者300人に聞いた「人事部の課題」、最も多かったのは?

AI要約

2023年に義務化された人的資本の情報開示を通じ、企業価値向上につながる「人的資本経営」が注目されている。

ラーニングイノベーション総合研究所が企業の人事責任者・人事担当者340名を対象に実態調査を行い、結果を発表。

調査結果から、小規模企業と大企業の人事部の取り組みや課題に違いが見られることが分かった。

人事担当者300人に聞いた「人事部の課題」、最も多かったのは?

2023年に義務化された人的資本の情報開示を通じ、働く人材の価値向上が企業の価値向上につながると捉える「人的資本経営」の考えがますます注目されている。

こうした状況の中、企業の人事責任者・人事担当者はどんな課題を抱えているのだろうか?

ラーニングイノベーション総合研究所はこのほど、企業の人事責任者・人事担当者340名を対象に「人事部の実態調査」を行い、その結果を発表した。

本調査では、企業の人事責任者・人事担当者340名に、人事部として抱えている課題や、今後取り組みたいことなどの実態調査を行った。

その結果を、従業員が300名以下の企業(以下、『300名以下企業』と記載)と、301名以上の企業(以下、『301名以上企業』と記載)に分けて分析した結果を紹介する。

はじめに、人事部として取り組みたいテーマ(課題)を質問した。結果、300名以下企業は84.0%、301名以上企業は95.1%が「人材育成・組織開発」と回答する結果となった。

特に301名以上企業は、300名以下企業より11.1ポイント高く、ほとんどの企業が取り組みたいテーマ(課題)と認識していることがわかった。次いで、「採用」が300名以下企業は67.1%、301名以上企業は72.5%と続いた。

300名以下企業と301名以上企業の差を比較すると、「経営との連動性の向上」が、301名以上企業が300名以下よりも12.7ポイント高くなった。

割合としては高くないものの、大企業の人事部は中小企業よりも、人材戦略を経営の一環として捉える傾向にあることが示唆できる。

次に、同様の質問を昨年の結果と比較した。300名以下企業では、順位は変わらないものの「人材育成・組織開発」の割合は昨年の90.1%から6.1ポイント、「労務管理」は29.7%から7.2ポイント減少し、「経営との連動性の向上」の割合は22.5%から3.0ポイント上昇する結果となった。

一方、301名以上企業では、「人材育成・組織開発」と回答した割合が、昨年の93.7%から1.4ポイント上昇する結果となった。「採用」も13.6ポイント上昇し、最大の伸び率となった。

301名以上の大企業では、「人材育成・組織開発」や「採用」に関する取り組みを重視する割合が、昨年よりも高まっている傾向が見受けられた。

後編では、調査結果からわかった人材育成・組織開発を推進する上での課題、これらの調査からわかった考察を紹介していく。

出典:ラーニングイノベーション総合研究所「人事部の実態調査(人事の課題編)」

構成/こじへい