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4歳の息子が飲食店で飾りの「花瓶」を破損…そのあと会計時に「割引券」を提示したら非常識でしょうか?
子どもがお店の備品を壊してしまった場合、責任は保護者にある可能性がある。
損害賠償の責任は故意または過失によるものとされ、子どもや保護者がその責任を果たすべきか検討される。
未成年者や責任無能力者には責任能力を問う難しさがあり、親や監督者に損害賠償責任が生じることもある。
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小さな子どもを連れて飲食店などを訪れる際、子どもがいたずらをしてお店のものを壊してしまわないか心配される親御さんも多いでしょう。実際に破損してしまった場合、弁償しなければならないのか不安になることもあるはずです。
お店によっては「子どものしたことだから」と許してくれることもありますが、本来は子ども本人やその保護者にどのような責任が生じるのか、確認しておくことをおすすめします。
今回は、子どもがお店の備品を壊してしまったときの責任とともに「その後、会計時に割引券を提示することは非常識に値する可能性があるのか」ということについてもご紹介します。
民法第七百九条に「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と定められているように、お店のものを壊してしまったときは「他人の権利を侵害した」とみなされ、損害賠償責任を負うことになります。
お店側が損害賠償を請求できるのは「故意又は過失によるもの」と判断されたときです。「故意」とは、自分の行為によって他人に損害を与えることになると分かっていながらその行いをすること、「過失」とは、損害の発生を予測できていたにもかかわらず回避しなかったことをいいます。
今回の事例では「4歳の息子さんが飲食店で飾りの花瓶を破損してしまった」ということですが、4歳の子どもに、自分の行為によって他人に損害を与える可能性や、損害を予測して回避することは難しいでしょう。
民法第七百十二条でも「未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない」とされています。
また、民法第七百十四条には「責任無能力者の監督義務者等の責任」について「責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と定められています。
つまり、責任能力を問うことが難しい子どもがお店のものを壊してしまったときは、保護者に賠償義務が発生する可能性があるということです。