[高校生のバイク通学] 交通安全教育プラス地域住民と保護者の理解があって実現〈神奈川県立津久井高校〉

AI要約

神奈川県立津久井高校ではバイク通学を許可しており、地域や保護者とのコミュニケーションを大切にしている。

バイク通学を始めるきっかけとなった交通費の問題や、許可取得の経緯について紹介されている。

保護者やPTAからの反対意見はなく、バイク通学に関して理解と支持が得られている。

[高校生のバイク通学] 交通安全教育プラス地域住民と保護者の理解があって実現〈神奈川県立津久井高校〉

三ない運動に関して、「4+1ない運動*」「かながわ新運動」を経て「スタートかながわ」へと移行し、現在は高校生が自由に免許を取ってバイクに乗れる神奈川県。全日制の県立高校でバイク通学を許可している県立津久井(つくい)高等学校に、その背景と理由、安全運転への取り組みや許可条件、そこにある課題について尋ねた本連載。最終回では、バイク通学を始める際の地域や保護者の声、今後の展開などを尋ねた。

*4+1ない運動:1980年、神奈川県高等学校交通安全運動推進会議が提唱した「免許を取らない/車をもたない/車を運転しない/車に乗せてもらわない」プラス「子供の要求に負けない」という運動。

【神奈川県立津久井高校 熊坂和也校長(右)/舟久保健人教諭(左)】着任7年目の熊坂校長は、自身がスーパーカブで通勤することもあり、生徒の通学事情や点検/メンテナンスにも詳しい。バイク通学担当の舟久保先生は、硬式野球部の顧問でもある(現在は他校へ異動)。※以降、敬称略

――バイク通学に関して、地域や保護者/PTAとのやり取りについて教えてください。

熊坂:4年前にバイク通学を始めるにあたって、地域については近隣の自治会などを訪ねてお話をさせていただきました。やはり地域の方の理解が必要ですし、感触を知っておきたかったのです。

結果、反対の声はありませんでした。逆に言われたのが、「学校の近くまで乗ってくる生徒がいるぐらいなら、許可して校内へ入れるべき」「これだけバスの便が悪い地域だから許可すべき」といった意見でした。

――保護者やPTAなど、直接生徒に関わる方の声はどうでしたか?

舟久保:クレームなどはまったくなかったです。バイク通学を認める最後の段階で許可式というのがあって、保護者の皆さんにも参加いただいて、バイク通学のルールなどを理解していただくのですが、「これはこうじゃない?」といった意見はほとんどありませんでした。親御さんたちとしても、危険性や利便性を考えたうえでお子さんのバイク通学を望んでいる方が多いと感じました。

――橋本駅から津久井高校まで、バス代が片道520円/往復1040円とのことですが?

熊坂:交通費は切実な問題です。バイク通学に踏み切る前は、スクールバスの運行についてバス会社に話に行ったこともあります。昔はいくつかの県立高校でスクールバスを回してくれていたことがあったのですが、今はありません。バス会社としてはもう対応できないということのようです。

市内には他にも高校がたくさんありますし、本校だけ通学費用の助成金を、というのも簡単ではありません。