「マックスマーラ」がベネチアで25年リゾートを発表 荘厳なドゥカーレ宮殿を会場に

AI要約

マックスマーラはベネチアで2025年リゾート・コレクションを発表し、ベネチアの歴史と芸術に触れるカルチャーツアーを実施した。

ゲストは古典から現代まで3つの美術館を巡り、ベネチアの多様な文化の影響を体感した。

ショーの着想源はマルコ・ポーロで、ベネチアの文化や価値の「交わる」重要性に焦点を当てた。

「マックスマーラ」がベネチアで25年リゾートを発表 荘厳なドゥカーレ宮殿を会場に

「マックスマーラ(MAX MARA)」は11日、イタリア・ベネチアのドゥカーレ宮殿で2025年リゾート・コレクションを発表した。ショーの前日には、コレクションのインスピレーション源ともなったべネチアの街の歴史や芸術への理解を深めるカルチャーツアーを実施。世界各国から集まった約200人のゲストは、徒歩と船で散策し1000年以上の歴史を誇る水上都市の魅力を学んだ。そのツアーの様子を含めてリポートする。

古典から現代まで3つの美術館を一気に巡る

ショーの前にゲストが訪れたのは、美術に関係する3つの場所だ。ひとつ目は、中世後期から18世紀までの絵画を収蔵するアカデミア美術館。交易で栄え、異なる文化・宗教などの価値が交差し醸成してきた街の歴史をガイドによる詳しい解説を通じて学ぶ。2つ目はピカソ、マルセル・デュシャン、マグリッドなど19世紀後半から20世紀前半の才能をいち早く見出してきた「ペギー・グッゲンハイム・コレクション」で、ベネチアがアートの街として存在を確立した背景を知る。さらに開催中の「ベネチア・ヴィエンナーレ」では世界各国の最新アートを通じて移民問題をはじめとする現代社会の課題を考えるきっかけを得た。時代の異なる3つの美術館を一気に巡ることで、ベネチアという街がいかに多様な文化から影響を受け価値を醸成してきたかを体感した。

このツアーのゴールはショー会場ともなったドゥカーレ宮殿。8世紀に創設され、かつてベネチア共和国の総督邸兼政庁だった場所。荘厳な建造物は、ローマ帝国、中世ヨーロッパのロンバルト民族、そしてイスラムという3つの文化の影響が見て取れるまさにベネチアを象徴する歴史的建造物だ。

着想源はマルコ・ポーロ。その真意とは

イアン・グリフィス=「マックスマーラ」クリエイティブ・ディレクターがショーは今季の着想源に、没後700年を迎えるマルコ・ポーロをあげる。ただしそれは表面的に当時の服飾文化をなぞることとは違うようだ。ベネチア共和国の商人であったマルコ・ポーロは「東方見聞録」を通じてアジアの存在をヨーロッパへ紹介してきた。マルコ・ポーロの存在を借りて、イアンはベネチアの地で文化や価値が「交わる」ことの大切さに光を当てる。