パリ・台北・ニューヨーク…世界を駆け回る86歳 風の彫刻家・新宮晋さんの飽くなき挑戦

AI要約

彫刻家の新宮晋さんは世界中で活躍する86歳で、多くの展覧会やイベントに参加している。

新宮さんは風や水で動く彫刻を得意とし、世界中の美術館やギャラリーで作品を展示している。

現在はパリや台北で個展や新作の納品など、忙しい日々を送っている。

パリ・台北・ニューヨーク…世界を駆け回る86歳 風の彫刻家・新宮晋さんの飽くなき挑戦

彫刻家の新宮晋さんは何ともエネルギッシュな86歳である。昨年、大阪中之島美術館で大きな回顧展を開いたばかりだが、今年3月からはパリで個展、今月は台湾の台北にできた美術館に新作を納めるなど、世界を駆け回っている。さらに地元・兵庫県三田市でさまざまなイベントを企画、来年はニューヨークでの個展も予定されている。忙しい日々を送る新宮さんに聞いた。

新宮さんの手帳にはアイデアを記したイラストがびっしりと描き込まれている。スタッフによると、どうやら夜も眠らず描いているらしい。

ページをめくって「これ、いいでしょう」と見せてくれたのは、子供の描いたイラストに手を入れたもの。地元の彫刻家とタイアップして、子供が描いた動物を木製彫刻に仕立て、兵庫県立有馬富士公園(三田市)の中に木でできた動物園を造ってしまおうという企画の入賞作品である。「10月27日にそこで行うオリジナルミュージカルの際にお披露目する予定です」

能やミュージカルなど地元・三田を自分の創作で盛り上げるオリジナルイベントを毎年のように行っているが、風や水で動く彫刻を造ってきた新宮さんは「風の彫刻家」の異名をとる美術作家である。

世界のあちこちからオファーが舞い込み、今年3月2日にはパリの画廊で彫刻と絵画作品約20点を展示する個展が始まった(7月13日まで)。

さらに、台北に建つイタリアの建築家、レンゾ・ピアノが設計した「フーボン(富邦)タワー」ビルの入り口には「Future Forest」、5月3日開館のタワーに隣接した富邦美術館にはオープニングを記念し「The Galaxy」の2つの風で動く室内彫刻を納めた。

現在、この美術館で行われているロダンと印象派をテーマにした展覧会後の開館第2弾展(10月12日~来年2月17日)には、新宮さんの個展が行われることが決まっている。「今、その台湾でデビューする水だけで動く彫刻作品『サイレント ウオーター』を開発中で、明日は早朝から東京に行ってエンジニアと打ち合わせしないといけません」

加えて来年6月からニューヨークの日米交流組織「ジャパンソサイエティー」本部にある画廊での個展も決まったことで、アートディレクターと協議を進めるなど、忙しさに拍車がかかっている。