内申点に「授業態度」や「挙手回数」は関係ない? 新たな“評価基準”を高校受験塾講師が解説

AI要約

内申点評価の変化について、評定の変遷や文部科学省の考え方を紹介。

授業中の態度や挙手回数の評価が消滅し、生徒全員に発言機会を与える取り組みが増えている。

教科と関係のない授業態度評価がなくなり、内申点評価がより客観的になっている。

内申点に「授業態度」や「挙手回数」は関係ない? 新たな“評価基準”を高校受験塾講師が解説

 いったい何が評価に影響しているのか、実態がわかりにくいのが「内申点」ではないでしょうか? 公立中学校の内申点(評定)は、各科目ごとに「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つが設定されています。このなかでも「主体的に学習に取り組む態度」は、2021年から評価ポイントに大きな変化があったといいます。Xで「東京高校受験主義」として受験情報を発信する高校受験塾講師・東田高志さんの著書『「中学受験」をするか迷ったら最初に知ってほしいこと』(Gakken)からお届けします。

■「授業中の態度」や「挙手回数」は評価から消滅した

  以前は「関心・意欲・態度」と呼ばれていた観点は、2021年から「主体的に学習に取り組む態度」に変更されています。この観点は、旧観点と比べて評価ポイントに大きな変化があります。詳しく見てみましょう。旧観点「関心・意欲・態度」では、授業中の態度、挙手の回数、ノート提出が評価対象でした。この観点が見直された理由を、都内の市立C中学校の令和3年度の「学校だより」ではこう説明しています。

  従来の「関心・意欲・態度」の評価では、文部省・文部科学省の趣旨と異なる評価を行うことが教育現場では少なくありませんでした。例えば「手を挙げた回数やノートの取り方などの形式的な活動」や、提出物を出したかどうか、出せば加点、出さなければ相対的に減点扱いになる、と言うようなことを少なからず評価していました。(引用以上)

 文部科学省は、旧観点「関心・意欲・態度」の反省を踏まえて、新観点においては挙手の回数や、表面的なノートのきれいさ等、性格や行動面の一時的な傾向で評価することは適切ではないとしています。

■挙手をする機会が減っている事実

  私は都内の公立中学校の授業をよく見学していますが、昔と比べて挙手をする機会が大きく減っています。

  先生は生徒全員に発言や発表の機会を与えるなどして、手を挙げられない性格の生徒が評価に影響しないように工夫するようになったことがわかります。

  また、昔は一部の先生が行っていた「頬杖をついたら減点」「居眠りをしたら減点」のような教科と関係ない「授業態度評価」は消滅しました。