「人間関係」長く続けたいなら、大切なのは「自由」と「更新」!【専門家が読者へアドバイス】

AI要約

人との関係性において長さ=クオリティとは限らないと考える。

「程よい距離感」や「自由」を大切にし、リフレッシュ(更新)を意識することが重要。

長く続く関係性においても、自由とリフレッシュはクオリティを保つために必要。

「人間関係」長く続けたいなら、大切なのは「自由」と「更新」!【専門家が読者へアドバイス】

読者からの質問【人と長期的に関係を築く上で大切にしていることはありますか?】

そもそも質問を覆してしまうような発想かもしれませんが、私は、人との関係性は必ずしも長い方が良いとは思っていません。

「ご縁を大切にしましょう」と教わる日本の一般的なカルチャーに反するような考えかもしれませんが、個人的には長さ=クオリティとも限らないと感じているのです。

ご縁には、出会いのきっかけやタイミングがあるのと同じように、別れや卒業のタイミングもあると私は考えています。相手との関係性の終末を、感覚的あるいは状況的に気づいていても、その事実を素直に受け入れられなかったり、無理に伸ばそうとしてしまうことはありませんか。しかし、こういった状況はかえって苦痛を生み出すとも言えるでしょう。また、私の経験上、関係が短かったからといって長い関係より大切だったかというと、そうとも思えません。

他にも、とても長く続いている友人との関係だけど、本当に稀にしか連絡を取らないケースもあります。不思議なもので、とりわけ「もっと近くにいたい!」と感じている訳ではないのに、とても大切に想っているからこそ、それぐらいのペースで長く続いている関係なのだと思います。こんな様子を「程よい距離感」と言う人もいるでしょう。確かに、それも一理あると思います。ですが、個人的には距離や長さよりも、「クオリティ」重視だと感じています。2年に一回しか連絡を取らない友人でも、その間互いにそれぞれのLifeを精一杯に生きていて、応援していることを知っている。そして、繋がるタイミングには流れがあります。流れに従うように繋がる時は、無理をしていないからこそ、至って自然で濃い時間だったりします。そんな時、「最高じゃん!もっと会おうよ!」と話したりするのですが、それぞれの暮らしに戻ると、あっという間にまた数年経ったりするものです。

もちろん、パートナーや子どもなど、必然的に長くなる関係性もあるでしょう。お友達とだって、様々な変化を通り抜ける中でも長い間近しい関係が築けていることに、なお感謝が湧くこともあります。

このようにして“長く続く関係性”において私が何より大切にしているのは「自由」、そして「リフレッシュ(更新)」です。

それはパラドックスだと思います。だって、長く継続しようとする関係においては、「近くにいたい」「繋がっていたい」。時には「しがみついていたい」といった気持ちもあるかもしれないから。それでも、大切に思う関係性だからこそ「いつでも離れていいよ」というスタンスでいるのが自由であり、真の愛だと思うのです。

パートナーシップや結婚については特に「一生共に過ごす約束」を前提に結ぶ関係性ですから、相手を自由にすることには恐れも伴うかもしれません。子どもについても同じで、自分と違う生き方を選択すればするほど、親にとっては、愛しているが故にヒヤヒヤすることもあります。それでも私は、なるべくそんな恐れに支配されず、恐れる以上に必要なコミュニケーションを取り、互いの気持ちをシェアし、その上で心配を信頼に変えていきたいと考えています。また、そうでないと、関係性のクオリティが束縛や窮屈な方向へと向かってしまうこともあるのではないかと思います。

私自身、ティーンエイジャーになった長男の自由や、彼の成長と共に広がる私たちの間の距離に切なさを感じることがあります。同時に、どんなに切なくてもそれは“正しい愛し方”なのだと、手放すことを選べることを誇りにも思います。その選択は息子に対する信頼を選んでいることを指していると思うのです。

もう一つの鍵なる要素は「リフレッシュ(更新)」です。パソコンの操作が重たくなってしまった時にキャッシュをクリアしたり、更新ボタンを押してページをリロードするように。長く付き合う相手だからこそ、歴史をクリアして、初心に返り、その瞬間に「新しい」相手と「新たな」1日を過ごすつもりで接したいと考えています。息子の場合は、今、14歳になったので、今日の彼を「今」という1人の少年として見て、扱うことであり、私の記憶の中にある彼のイメージ(例えば、あの頃はあんなにあどけなかったのにとか、昔はママにべったりだったのにといった思い出)から完全に離れ、純粋に目の前にいる彼と「今から」関係性を築き直すような気の持ちようです。

それは、パートナーシップでも同じではないでしょうか。長く一緒に過ごしている相手こそ、知ったつもりになりやすい。「ありきたりや当たり前」に陥らないよう、まずは自分の心をリフレッシュして、「今日も相手を知り直す」こと。それは、その瞬間に相手に「自由」を与えていることでもあるのではないでしょうか。

人との関係性においては、長くなればなるほど、人の、そして自分自身のあらゆる側面が出てくるでしょう。共通なことがたくさんある関係性においても、長くなればなるほど、様々な経験や境遇、ハプニングや変化が続く訳ですから、それだけ違いが見えてくることもあるはず。こんな時、その関係性のクオリティを大切にするからこそ、「自由」そして「リフレッシュ(更新)」を意識すると、相手を変えようとしたり、いつもと同じ型にはめずにいられるのではないでしょうか。きっとそれは、相手にとっても心地いいこと。そして、だからこそもっと長く一緒にいたいと感じられるのかもしれませんね。