アジサイ、実は身近な有毒植物 食べてしまうとどうなる? 「料理の飾り用」をパクリ…過去の食中毒例

AI要約

アジサイは美しい花を咲かせるが、実は有毒な植物であり、食べると中毒症状が出ることがある。

アジサイに含まれる毒性の正体ははっきりしておらず、食用は避けるべきである。

飲食店や消費者はアジサイを食品に提供しないように注意喚起されており、特に子どもの口に入らないように気をつける必要がある。

アジサイ、実は身近な有毒植物 食べてしまうとどうなる? 「料理の飾り用」をパクリ…過去の食中毒例

身近な植物の中には、実は有毒なものが――。そろそろ花を咲かせ始める美しいアジサイも、その一つです。過去には「料理の飾り」として使われ、食中毒の事例もあるアジサイ。どんな危険があるのでしょうか。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)

アジサイはバラ目ユキノシタ科アジサイ属の植物で、日本原産の園芸植物。100種以上の品種があると言われ、全国各地の公園・寺院・庭などに植えられています。

高さ1~2m、葉は光沢のある淡緑色で葉脈のはっきりした卵形で、周囲は鋸歯(きょし)状。 6、7月に紫(赤紫から青紫)色の花を咲かせます。ただし、一般に花と言われている部分は装飾花で、本来の花は中心部にある小さいものです。

厚生労働省によれば、アジサイを食べた場合、嘔吐、めまい、顔面紅潮などの中毒症状が報告されています。発病時期は食後30~40分です。2008年6月にはアジサイによるとみられる複数の食中毒が発生しました。

一つは、茨城県つくば市の飲食店で、料理に添えられていたアジサイの葉を食べた10人のうち8人が、食後30分から吐き気・めまいなどの症状を訴えた」もの。もう一つは、大阪市の居酒屋で、男性1人が、だし巻き卵の下に敷かれていたアジサイの葉を食べ、 40 分後に嘔吐や顔面紅潮などの中毒症状を起こしたものです。

いずれも重篤には至らず、 2、3日以内に全員が回復したということです。このように、刺身のツマのように、料理に添えられることがありましたが、食用は避けるべきとされ、飲食店および消費者には、アジサイを食品と共に提供または喫食しないよう注意喚起が行われました。

しかし、これがアジサイのどんな毒性によるものなのかは、明らかになっていません。アジサイには青酸配糖体が含まれているとされていましたが、現在は定かではないとされています。

いずれにせよ、料理を食べる側は、もし料理にアジサイが料理に添えられていても口に入れないこと、料理を出す側は、そもそも添えないように、今一度、注意が必要です。また、これからの時期、子どもが口にしないように保護者は気をつけた方がいいようです。