中国で『AI習近平』誕生。「習近平思想」記した著書十数冊や公式文書で強化

AI要約

中国国家サイバースペース管理局(CAC)は、習近平国家主席の思想と政治哲学に関する著書などでトレーニングされた大規模言語モデル(LLM)を搭載するAIシステムを開発しました。

AIシステムは、習近平氏の思想に関連する書籍や政府文書を元に作られており、国家主席に対する忠誠を強調する内容が8万6000回以上含まれている文書も利用されています。

中国政府は、AIシステムを今後中国全土で普及させる可能性があるとしており、将来的には子供たちの教育にも活用される可能性があると言われています。

中国で『AI習近平』誕生。「習近平思想」記した著書十数冊や公式文書で強化

中国国家サイバースペース管理局(CAC)は、習近平国家主席の思想と政治哲学に関する著書などでトレーニングされた大規模言語モデル(LLM)を搭載するAIシステムを開発しました。

英Financial Times(FT)によると、このAIの強化には、現在の中国国家主席が書いたとされる「新時代の中国の特色ある社会主義に関する習近平の思想」略して「習近平思想」についての12冊の書籍と、それに基づいた政府規則、政策文書、国営メディアの報道、その他の公式文書が用いられているとのこと。FTはこのAIシステムを、ChatGPTをもじって『Chat Xi PT』と紹介しています。

FTはさらに、ある文書には習近平氏への言及が8万6000回以上含まれており、国民に対し「思想、政治、行動において、習近平氏を中心とする中国共産党中央委員会の方針に高度に一致すべきである」と指し示しす文章が含まれていたと伝えました。

このAIシステムは、まだCACが管轄する研究センター内でのみ使用されている模様ですが、関係者はこのシステムがいずれは中国全土で広く使われるようになる可能性があると述べたとのことです。

中国の子供たちは、10歳になれば義務教育として習近平氏の政治理念を学ぶことになっており「AI習近平」は将来的にそのような場から広く用いられるようになるのかもしれません。

中国では、いかなるチャットボットも国家権力を脅かすコンテンツを含んではならないと定められているため、ChatGPTやGoogleのGeminiなどは中国国内では使うことができません。

また中国のIT企業である百度やアリババなどは、習近平氏に関するデリケートな話題を含むコンテンツを吐き出すAIがあれば、それらを厳しく管理しなければならないとされています。

中国では、死去した家族などをAIチャットボットとして蘇らせるビジネスが盛んになりつつあることが最近報道されていましたが、もしもこのAIシステムがそのような使われ方まで想定しているとしたら、中国の現政権は未来永劫存在することになるかもしれません。