Google DeepMind、ロボットに靴ひもの結び方やハンガーの掛け方を学習させる
Google DeepMindがロボットに靴ひもの結び方を教える取り組みを発表
しかし、ロボットはまだ工夫が必要とされる
AIシステムによって動作する両腕マニピュレーションロボットについての説明
AIの学習と効率的な器用さに関する研究が進行中
未来のロボットは家庭や職場の様々なタスクを支援する可能性がある
自律的な製造工場の実現に向け、技術の進歩が必要とされる
サイバーパンクな世界は、まだまだ先かも。
AIの研究・開発に注力する企業であるGoogle(グーグル) DeepMindは、ロボットに靴ひもの結び方を教えたと発表しました。
しかしながら、ロボットは、まだまだ細かい作業がニガテみたい。
実際、子供も含め、ほとんどの人がこのロボットよりも上手に靴ひもを結べるはずです。X(旧Twitter)に投稿された実際の映像を見てみましょう。
結んだ靴ひもについては、輪っかがあまりにも大きくなっています。このまま歩いたら、すぐに転んでしまいそうで危ない…。
洋服をハンガーにかける動作も、どうにもおぼつかない手の動きです。
DeepMindが公開している「
ロボットの器用さに関する最新の進展
」というブログ記事では、同社がどのように靴ひもの結び方やハンガーの掛け方を教えたかが、詳細に説明されています。
2本の腕を使ってタスクをこなす、このロボット。研究者たちはこれを「両腕マニピュレーション」と呼称しているそう。
このロボットは、 ALOHA UnleashedとDemoStartという、2つのAIシステムによって動作しています。
ALOHAは、ロボットが両腕を使うような難しい作業をする際に役立ちます。一方、DemoStart はシミュレーションを用いて、ロボットの経験からの学習を助けるとのこと。
研究者は以下のように語ります。
AIの学習をはじめとする、効率的で汎用性のある器用さについての研究。こうした開発が、いずれ、AIロボットが家庭や職場のあらゆるタスクを支援する未来を実現してくれるでしょう。
現在、多くの企業が、人間のような活動が可能なロボットの開発を競っています。
靴ひもを結ぶことや、Tシャツを畳むといった小さなタスクは、長い間ロボットの力量を測る試金石のようにみなされていました。
今年の初め、イーロン・マスク氏はテスラの人型ロボット「Optimus」がシャツを畳む映像を公開しました。
ところが、その映像は部分的に演出がなされており、実際には、ロボットが自律的にシャツを畳むことはまだできていないということが明らかに。
ロボットによる細かい作業は、やはり難しいようです。
さて、こうした技術の最終目標は、全ての工程がロボットで完結する、自律的な製造工場でしょう。ロボットを使って、製品をゼロから作り上げることのできる工場。
ややディストピア感もありますが、現在のロボットでは、紹介したような細かい作業ができていないことを考えると、ロボットのみの工場はすぐには実現しなさそうですね。