Anker、モバイルバッテリー2製品を回収…海外で発火事故発生、原因はサプライヤーの管理不十分 対応には高評価も
アンカー・ジャパンが自社製品の自主回収を発表。海外での発火事象を受け、日本国内での被害拡大を防ぐための措置として行われている。
問題の原因はバッテリーセル製造過程の不備にあり、一部のセルで内部短絡の可能性が生じる問題が発見された。対象製品の新規出荷停止やサプライヤーに対する対策を進めている。
日本国内では現時点で発火事象は報告されていないが、予防的な措置として自主回収が実施されている。アンカーは対応に対する消費者の評価が高い。
モバイルバッテリーやスピーカーなど展開するアンカー・ジャパンは17日、自社より発売する2製品について自主回収を実施すると発表した。海外で発火事象が確認されたことを受けての措置で、日本国内での被害拡大を未然に防ぐ目的があるという。
対象となるのはモバイルバッテリー「Anker Power Bank（20000mAh, 22.5W, Built-In USB-C ケーブル）」と「Anker 334 MagGo Battery（PowerCore 10000）」。前者は2024年1月12日から9月17日まで、後者は2024年2月1日から9月17日までの期間に販売されたものが対象となる。
問題の原因は、バッテリーセル製造過程における不備にあることが判明した。具体的には、セル製造サプライヤーが電極と外部回路を接続する端子の溶着作業において、一部のセルで固定が不十分なまま内部短絡の可能性が生じたまま出荷されてしまったという。なお、この問題はアンカー側が意図したものでなく、サプライヤー（製造側）が規定を超えて摩耗したホーンを使用したことで起こったものだという。
アンカー・ジャパンは、この事態を重く受け止め、対象製品の新規出荷および販売を停止。さらに、セル製造サプライヤーへの管理体制や社内での検品体制の厳格化、製造サプライヤーの選定基準の見直し、製品出荷前の検品体制の強化などの対策を進めていると明かした。
なお、現時点で日本国内での発火事象の報告はないとのことだが、安全性を考慮しての予防的な措置となっている。アンカーは中国・深セン発のグローバルメーカーとして低価格かつ高機能な製品が人気を博しており、未然に防ぐ対応に評価する消費者の意見が多く見られている。
