史上初、民間人の宇宙遊泳が成功–「ここからは完璧な世界が見える」

AI要約

SpaceXが実施した商業宇宙飛行ミッション「Polaris Dawn」で史上初の民間人による宇宙遊泳が行われた。

Polaris DawnはJared Isaacman氏が資金提供する「Polaris」計画の第1弾ミッションで、高度1400kmに到達している。

Isaacman氏とSarah Gillis氏が実施した宇宙遊泳では、新しい通信システムのテストなどが行われた。

史上初、民間人の宇宙遊泳が成功–「ここからは完璧な世界が見える」

米Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)による商業宇宙飛行ミッション「Polaris Dawn」(ポラリスドーン)で史上初となる民間人による宇宙遊泳(ExtraVehicular Activity:EVA)が実施された。

 米国9月10日に打ち上げられたPolaris Dawnは、米Shift4 Paymentsで最高経営責任者(CEO)を務めるJared Isaacman氏が資金を提供する「Polaris」計画の第1弾ミッションだ。SpaceXの宇宙船「Crew Dragon」(クルードラゴン)に4人の民間人が搭乗し、国際宇宙ステーション(ISS)よりも高い高度1400kmに到達している。

 9月12日のEVAは、Polaris Dawnにミッションコマンダーとして参加したIsaacman氏が実施。宇宙船のハッチの外側に立ち、地球を見下ろしながら「地球に帰れば、やるべき仕事が山ほどあるが、ここからは完璧な世界が見える」と語っている。

 高度1400.7kmから737kmまで降下したPolaris Dawnからは、Isaacman氏とSarah Gillis氏がEVAを実施。レーザーの光を使用してSpaceXの衛星通信「Starlink」との新しい通信システムもテストしている。

 今回のEVAで使われた船外服は、Crew Dragon用の船内活動(Intra-Vehicular Activity:IVA)宇宙服(「船内服」とも呼ばれる)を進化させたもの。船内服よりも機動性を高めるとともにヘッドアップディスプレイやカメラなどが搭載されている。

 Polaris Dawnで使用されたCrew Dragonは「Resilience」(レジリエンス)。Polaris Dawn用にEVAへの移動を補助するための(はしごや手すりとしての役目を果たす)装置「Skywalker」が備え付けられている。今回のミッションには、新しく開発した船外服やSkywalkerをテストすることも含まれている。