「Bluetooth 6.0」の仕様が決定

AI要約

Bluetooth SIGは、次世代Bluetooth規格「Bluetooth 6.0」の仕様を発表。

距離認識の正確性向上とデジタルキーのセキュリティ強化などが特徴。

アドバタイズ通信の効率改善や信頼性向上などが含まれる。

「Bluetooth 6.0」の仕様が決定

 Bluetoothの規格を定める標準化団体のBluetooth SIG(Special Interest Group)は、次世代のBluetooth規格「Bluetooth 6.0」の仕様を発表した。

■ Bluetooth Channel Sounding

 新たに追加された「Bluetooth Channel Sounding」(Bluetooth チャネル サウンディング)により、本当に正確な距離認識が実現し、Appleの「探す」や、Googleの「Googleデバイスを探す」など、デバイスを無くした際の見つけやすさが大幅に改善するという。

 また、デジタルキーのソリューションでは、堅牢なセキュリティレイヤーが追加され、指定された範囲内に限り、承認済みのユーザーがドアロックを解除したり、セキュリティ保護されたエリアにアクセス可能になる。

■ アドバタイズ通信のスキャン効率改善

 忘れ物防止タグ、スマートウォッチなどのBLE対応デバイスが、周囲にその存在を告知して接続するために行うアドバタイズ通信の効率が改善する。

 アドバタイズ通信を行うデバイスは、プライマリーアドバタイズチャネルで受信したパケットの内容に基づき、セカンダリーチャネルで関連パケットをスキャンするかどうかを決定できるようになり、スキャン効率が改善する。

■ アドバタイズ通信でHCIイベントをサポート

 オブザーバー・デバイスは、重複するアドバタイズ通信について、フィルタリングするようにBluetooth LEコントローラに指示できる。フィルタリングが有効になると、ホストは各デバイスから単一のアドバタイズ通信パケットのみを受信する。

 これによってホストの効率は改善するが、オブザーバー・デバイスが接続すべき状況になっても、デバイスが範囲内にあるかどうかをホストが知る方法が無いという欠点がある。

 Bluetooth 6.0のアドバタイズ通信では、「Host Controller Interface」(HCI)イベントによって、対象デバイスが範囲内に入ったり、範囲外に出たりするたびにホストに通知が行われる。

■ ISOALの改善、信頼性向上

 アイソクロナス・アダプテーション・レイヤー(ISOAL)は、より大きなデータ・フレームを、より小さなパケットで伝送可能とし、受信機側でデータを正常に処理するために必要な関連タイミング情報を再構成できるようになる。

 ISOALは、フレーム化されたPDUまたは、フレーム化されていないPDUのどちらも生成できる。フレーム化されたPDUが生成される場合は、結果として遅延が増加する可能性があるという。

 Bluetooth 6.0では、この問題に特に影響を受けるユースケースの遅延を削減する、新しいフレーミングモードを定義することで、ISOALを改善し、信頼性も向上しているという。

■ LL拡張機能セット

 LL拡張機能セットにより、Bluetooth 6.0ではデバイスがそれぞれサポートするリンク層の機能に関する情報をやりとりできるようになる。

 この機能は、Bluetooth LE(Bluetooth Low Energy)の高度化および多機能化に伴って必要となり、より多くの機能をサポートするために強化された。

■ フレームスペースの更新

 Bluetoothデバイス同士の通信間隔がより柔軟に調整可能となる。具体的には、従来は固定のBluetoothバージョンで固定されていた150マイクロ秒よりも短くすることや、長くすることが可能となる。