電気ケトルの「余ったお湯」に水を継ぎ足して使用しても大丈夫ですか?【家電のプロが回答】
電気ケトルでお湯を継ぎ足して使用することはおすすめされず、腐りやすくなる可能性がある。
電気ケトルの安全な使用方法や注意点についても解説されている。
特定の電気ケトルにはお茶を入れたり調理ができる製品も存在し、取扱説明書に従って正しく使用すべきである。
電気ケトルでお湯を沸かした際、全て使い切らずに余ってしまうことがあります。このような場合に、水をさらに継ぎ足して使用しても問題ないのでしょうか。
「All About」ガイドで、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演する安蔵靖志が解説します。
(今回の質問)
電気ケトルは水を継ぎ足して使っても大丈夫ですか?
(回答)
一度沸騰させた水は腐りやすいので、継ぎ足して使うのはおすすめしません。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
水道水には、水を消毒するために塩素(次亜塩素酸ナトリウム)が含まれています。これによって雑菌が発生するのを防いでいるのですが、沸騰させると水に含まれている残留塩素が抜けてしまいます。
完全に抜くためには少なくとも5~10分ほどかかると言われてはいますが、消毒するための塩素成分が減ってしまうことで、腐りやすくなってしまうのは事実です。雑菌が発生した水でも沸騰させれば消毒できるものの、できるだけ継ぎ足して使わないようにしましょう。
また、電気ケトルを安全に使用するために、以下のような使い方も避けることが重要です。
お茶や牛乳、スープ、お茶、アルコールなどを電気ケトルに入れると、泡立ちや焦げ付きの原因となり、故障や火傷のリスクが高まります。
レトルト食品や缶コーヒーの湯せん、インスタント食品やゆで卵、麺類などの調理は、内容物が詰まって故障の原因となるほか、吹きこぼれによる火傷のリスクがあります。
ふたを閉めずにお湯を沸かしたり、満水の目盛りを超えた水量を入れると、お湯が飛び散ったり吹きこぼれたりして火傷の原因となります。
電気ケトルを冷蔵庫で冷やしたり、氷を入れて保冷用に使うと、結露が生じて故障の原因となります。
ただし、一部の電気ケトルにはお茶を入れたり、湯せんや調理ができる製品もあります。そういった製品の場合は取扱説明書に従って正しく使いましょう。
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。