ビットコインETF軟調に伴いビットコイン需要減と指標分析:CryptoQuant

AI要約

ビットコインに対する需要指標が弱まり、センチメントが横ばいの価格変動の中で弱気な見方を示す。

需給バランスの傾向や大口保有者による売却の増加などからビットコインの需要の鈍化が指摘されている。

一方、長期保有者のビットコイン蓄積やステーブルコインの時価総額の増加など、一部指標は堅調な状況も報告されている。

ビットコインETF軟調に伴いビットコイン需要減と指標分析:CryptoQuant

オンチェーンで見られるパターンと保有動向を用いて導かれる需要に関する指標では、ビットコイン(BTC)に対するセンチメントの弱まりが見られ、数週間にわたる横ばいの価格変動の中でビットコインに対する弱気な見方が示されている。

「はっきりとした需要は4月初旬から大幅に鈍化し、今月はマイナスの域にまで落ち込んだ」と、オンチェーン分析会社CryptoQuantは現地時間8月21日にCoinDeskに対するメモの中で述べた。

同社は「価格の持続的な回復と新たな高値の可能性が見られるようになるには、ビットコインの需要の伸びがさらに加速する必要がある」とする。

CryptoQuant は、ビットコインのブロック報酬の 1 日あたりの総額と、1 年以上変動のないビットコイン数の 1 日あたりの変動を追跡する需要指標を引用した。マイナーが獲得したビットコイン報酬は通常、運用費用を賄うために売却されるが、大口保有者による売却の増加は、この資産の需要が減退していることを示している。

ビットコインの価格変動は概ね落ち着いている。過去数か月間、数十億ドル相当の売り圧力が市場に押し寄せ、1月にいくつかのスポットETFが立ち上げられたことによる楽観的な見通しに打撃を与えた。

1月にETF取引が開始され、5月にビットコインが半減期を迎えたことで、一部の強気な見方では需要増を理由に6月までに8万ドル(約1160万円、1ドル=145円換算)の水準を目指すとしたが、価格は5月の史上最高値から20%下落している。ビットコインETFは発売以来175億ドル(約2.5兆円)の純流入を集めているが、懐疑的な見方では、その流入は完全な強気の賭けではなく、キャリートレード獲得のために生じている可能性があると指摘される。

そして現在、ETFに対する初期の流入は徐々に減少してるところだ。

「ビットコインの大口投資家による保有量の増加も鈍化し、3月の月間6%増から現在はわずか1%となっている」と同社は述べた。「ビットコイン需要の鈍化は、米国のスポットETFの購入減少と一致している。」

「米国におけるビットコイン現物ETFの平均1日当たり購入量は、ビットコインが7万ドル(約1015万円)を超えて取引されていた3月の12500BTCから、先週は平均1300BTCに減少した」と同社は付け加えた。

しかし、価格が低迷しているこの期間中、いくつかの指標は依然として堅調であるとCryptoQuantは指摘する。

長期保有者、つまり資産を6か月以上保有するウォレットは「前例のないレベル」でビットコインを蓄積し続けており、この層による合計残高は今週初めに月間記録の最高となる391000 BTCに達した。

一方、ステーブルコインの時価総額は1650億ドル(約24億円)と過去最高を記録した。これは歴史的に見て強気な兆候であり、通常価格の上昇につながる暗号資産(仮想通貨)市場における流動性の増加を示すものである。

|翻訳・編集:T.Minamoto|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin Metrics Signal Weak Demand as BTC ETF Hype Slows: CryptoQuant