マカフィー、ディープフェイク音声を自動で検知するツールをリリース

AI要約

McAfeeがAIツール「Deepfake Detector」を提供開始し、動画の音声が改変されたかどうかを自動的に検知することが可能になった。

LenovoのCopilot+ PC向けに開発されたこのツールは、音声のみを分析し、動画のスキャンを手軽に行える。

McAfeeは同時に「Smart AI Hub」の発表も行い、ディープフェイクや詐欺に対するリソースを提供することで一般消費者の意識向上を目指す。

マカフィー、ディープフェイク音声を自動で検知するツールをリリース

 サイバーセキュリティプロバイダーのMcAfeeは米国時間8月21日、動画をスキャンしてその音声が人工知能(AI)で生成されたものである形跡を検知するAIツール「Deepfake Detector」の提供開始を発表した。プレスリリースによると、ユーザーが選択するとPC上で再生される動画をツールが自動的にスキャンして、AIで改変された音声が見つかると「数秒もかからずに」警告してくれる。サードパーティー製のソフトウェアは使わず、ユーザーが手作業による検査を開始する必要もない。

 McAfeeの広報担当者は米ZDNETの取材に対して、「Deepfake Detectorは音声を分析するだけだ。もっと詳しく言うと、ブラウザーで再生される動画の音声はスキャンするが、例えば『Netflix』や『Disney+』のようなビデオストリーミングサービスのコンテンツなど、DRM(デジタル著作権管理)によって保護されているものはスキャンしない」と語った。

 McAfeeはLenovoと提携して、同社の「Copilot+ PC」向けにDeepfake Detectorを開発した。このため使えるのはLenovoのCopilot+ PCのみであり、少なくとも年間9.99ドルがかかる。

 もちろん、Deepfake Detectorが機能するにはパソコンを監視する必要がある。これについてMcAfeeは、プライバシーが侵害されることはないと断言する。同社は発表の中で、「McAfeeはいかなる形であろうとユーザーの音声を収集したり記録したりしない。常にユーザーに主導権があり、音声検知のオンとオフはユーザーが望むように切り替えることができる」と説明している。

 またMcAfeeはDeepfake Detectorの発表と併せて、「Smart AI Hub」を発表した。発表によると、一般消費者を対象とするサイバーセキュリティの啓発リソースで、「ディープフェイクやAIを使った詐欺に対する意識を高めること」を目指すものだという。疑わしいビデオをこのハブに送信すると、McAfeeが分析してくれる。得られた知見はリソースとして一般に公開する計画だという。

 Deepfake Detectorは8月21日から、Lenovoのウェブサイトか、米国、英国、オーストラリアの指定小売業者で注文したレノボの新しいCopilot+ PCで、英語について利用できる。対応するCopilot+ PCを購入すると、30日間は無料で利用でき、その後、米国だとまず初年度に9.99ドルかかる。

 2024年中にはさらに多くの国で提供が始まることになっている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。