「スタートアップに戻れ」号令かけるメルカリ・山田進太郎の胸中。脱・大企業化、「後継者」選定もはじめた

AI要約

メルカリ創業者の山田進太郎社長が、組織のスピード改革に取り組む理由と課題について語っている。

山田氏は、「バック・トゥ・スタートアップ」を掲げ、組織全体のスピード感を再度高める必要性を訴えている。

経営陣としての反省から、メルカリはスピード改革に取り組んでおり、組織の成長を阻む要因に真剣に取り組んでいる。

「スタートアップに戻れ」号令かけるメルカリ・山田進太郎の胸中。脱・大企業化、「後継者」選定もはじめた

上場7年目を迎えたメルカリ。創業者の山田進太郎社長はいま、社内的には「バック・トゥ・スタートアップ」を掲げて組織の「スピード改革」に着手しはじめている。

「メルカリの速度に課題がある」── 。

2018年に上場し、組織が拡大、成熟してきた結果ではあるが、山田氏はある種の「大企業病の兆候」を感じている。

メルカリ創業者インタビュー2本目の本記事では、メガベンチャーが直面した、「次の成長」を阻む組織の課題、そして山田氏が取り組みはじめた後継者選びのプロセスを取り上げる。

■1本目…「上場7年目のメルカリ、創業者・山田進太郎、“反省”を語る…『もっと大胆に』」

山田進太郎社長:昨年(2023年8月)も確か、もっとGo Boldに、と言っていたと思うんです。

US(アメリカ事業のMercari, Inc.)とかは 3月、4月ぐらいには大胆な打ち手ができましたし、日本のマーケットプレイスも色々できたこともあったんですけど、 今いろんな案件が控えてる中で言うと、もっと早く進められたんじゃないかと思ってはいます。

経営の責任だとは思ってるんですけど、 (2023年度は組織の)全体としてスローになっていたところはあると思ってます。

── メルカリの組織のあり方に対して、スピード感を増さなければという意識があると?

「スピード感をもう一度」というのは思っていて。 社内的にも、「バック・トゥ・スタートアップ(スタートアップへの回帰)」と言っています。

大きい会社なので、責任もありますし、セキュリティなども含めていろんな事件も、世の中では起こってる。(サービスの健全性維持のために)やらなきゃいけないことはやらなきゃいけない。

ですが、リスクを取って例えば「投資する・しない」の判断も、あんまり慎重になりすぎてもよくない。もっと大胆に、かつスピードは早くできた。

── 組織のスピードが落ちている、と感じるのはなぜですか。会社の規模によるものなのか、事業が多面化することによってブレーキがかかってしまうのか。

理由は1つではなく、多分おっしゃったような組織的な部分もあるし、事業が大きくなるといろんな調整が複数に、しかも事業が増えてくると(より複雑になる)っていうところもあります。いろんな要因がある。

だからこそ、スピードを上げるのはすごく難しい。かといって放っておくとどんどんスローになってしまう。

色々やり方はあるし、(経営陣としての)反省もあるなと思ってます。今、そこを変えていこうっていうことで、全社的に取り組んでいるところです。