生成AIを活用している企業は17.3%にとどまる 業界・企業規模での差が明確に

AI要約

生成AIの活用状況についての調査結果によると、まだまだ普及していないことが明らかになった。

大企業やサービス業界が生成AIを活用している割合が高い一方、建設や運輸などは活用が進んでいないという傾向も見られた。

生成AIの活用用途としては、情報収集や文章の要約などが主要な役割を果たしており、ビジネスパーソンにとって便利なツールとして活用されている。

生成AIを活用している企業は17.3%にとどまる 業界・企業規模での差が明確に

生成AIは近年、その活用用途に広がりを見せている。企業でも生成AIを取り入れようとする動きが高まっており、人手不足の現状を打破するための生産性向上への活用や、ビジネスチャンス創出が期待されているが、実際に活用している企業はどれほどなのだろうか。帝国データバンクが行った「現在の生成AIの活用状況について調査」の結果を見ると、どうやらまだまだ生成AIは普及していないようだ。

帝国データバンクが2024年6月14日から7月5日かけて、全国4705社を対象に行った調査によると、生成AIの活用状況は「活用している」が17.3%、「活用していないが検討中」が26.8%、「活用しておらず予定もない」が48.4%、「わからない」が7.6%という結果だった。約半数が活用意向なしということになり、意外に感じる人も多いかもしれない。

活用している割合を従業員数別に見ると、「1000人以上」が36.9%と最多で、大企業であるほど活用されている様子。また、業種別では「サービス・その他」が28%とトップで、続いて「小売」(20.4%)、「運輸・通信」(10.4%)、「建設・不動産」(9.4%)という結果だった。IT企業などを含むサービス・その他業界で働く人は、最新テクノロジーに対しての心理的障壁は少ないだろう。また、建設や運輸などは規模が小さくなるほどバックオフィスの割合が低くなり、生成AIを活用してもあまり効果が得られないということも、活用が進んでいない要因だと考えられる。

続いての質問は、生成AIを活用している企業に対するものだ。活用の用途について尋ねると「情報収集」(59.9%)が約6割で最も高く、「文章の要約・校正」(53.9%)、「企画立案時のアイデア出し」(53.8%)と続いた。これらはビジネスパーソンが日常的に行う業務であり、生成AIへ指示を与えやすい。また、自分一人でやろうと思うとどうしても時間がかかる業務だが、生成AIを利用すると一瞬でできることもある。そのため、生成AIを利用しようと思った時にまず試してみることなのかもしれない。