意外と知らない「Internet Explorer」が嫌われ続けていた理由

AI要約

Internet Explorerは長らくWindowsの標準ブラウザでありながらも、「嫌われ者」として知られ、2022年に開発終了した。

IEが嫌われ続けた理由には、「IEだけ見え方が違う」問題やセキュリティの脆弱性が挙げられる。

特にIE6は長期間利用され、後継バージョンへの移行が進まず、Web制作者にとって手間がかかる存在だった。

意外と知らない「Internet Explorer」が嫌われ続けていた理由

長らくWindowsの標準ブラウザであったにも関わらず、多くのネットユーザーの「嫌われ者」というイメージも強かった「Internet Explorer」(※2022年終了済み)。「他のブラウザをインストールするときにしかIEは使わない」「Internet Explorerを通常使うブラウザに設定するようにおすすめしてくるメッセージが鬱陶しい」という声もよく聞かれました。

2024年現在、MicrosoftはInternet Explorerの開発をすでに終了済み。Windows 11の標準ブラウザは「Microsoft Edge」です。しかし、Internet Explorerはなぜあれほど嫌われていたのでしょうか?

Internet Explorerが嫌われ続けてきた理由には 「IEだけ見え方が違う」という開発側の目線とセキュリティ面での脆弱性の問題があります。

■「IEだけ見え方が違う」問題

Internet Explorerは長年にわたって、まず「Web開発者」から嫌われ続けてきました。その主な理由の一つが、「IEだけ見え方が違う」問題です。IEは「CSSの解釈が他のブラウザと酷く異なる」と、長年に渡って特にフロントエンドエンジニアの方々からの指摘が相次いでいたブラウザです。

こうした問題はInternet Explorerの最終バージョンとなった「IE11」でも十分には解消されておらず、モダンなCSSに対応しきれていなかったり、特定のフォントを使うとバグが生じるといった問題は散見されていました。このためWeb制作者は「IE向けの個別対応」に過度に時間を取られがちでした。

■長年続いた「IE6」対応

Internet Explorerの中でも、特に2001年にリリースされた「IE6」は最も長く利用され続けたバージョンと言えるでしょう。2004年にはWebブラウザのシェア8割ほどを獲得したとも言われています。

そのシェアの大きさ故か、後継バージョンへのシフトが中々進まず、Microsoft社自身が「IE6消滅」を促すWebサイトを公開するほどでした。Microsoftが2011年頃に公開していたIE6消滅に向けたカウントダウンサイト「The Internet Explorer 6 Countdown」によると、2011年のIE6のシェアは全世界で12%。日本では10.3%でした。