【使いこなし編】第205回:Synology「BeeStation」でローカルアカウントを作れば、LAN内に閉じた使い方ができ緊急時にも役立つ

AI要約

本連載では、Synologyのパーソナルクラウド「BeeStation」の活用方法をLAN内でのファイルアクセスに焦点を当てて紹介。

ローカルアカウントを作成して、インターネット回線がない状況でもBeeStationの利用が可能。

LAN内でBeeStationの設定やファイル操作ができ、ネットワークトラブル時にも備えができる。

【使いこなし編】第205回:Synology「BeeStation」でローカルアカウントを作れば、LAN内に閉じた使い方ができ緊急時にも役立つ

 本連載では、Synologyのパーソナルクラウド「BeeStation」の活用を、第185回から実践している。本製品はNASの一種だが、インターネット経由で外部からも簡単にアクセスできるのが特徴で、「パーソナルクラウド」の呼び名は、その特徴にちなんでいる。

 ここ数回はPC専用アプリ「BeeStation for Desktop」で、PCのフォルダやファイルをBeeStationと同期させる方法を実践してきたが、今回からは、最大の特徴である「インターネット経由で外部からアクセス」の機能を使わず、LAN内のみでファイルアクセスに活用する手法を見てみよう。

 Synologyアカウントを使わずに、ローカルアカウントを作成することで、一般的なNASに近い感覚でネットワークドライブとしてアクセスしたり、ウェブブラウザーからアクセスしたりできる。

 実際にそうした使い方をするケースは多くないだろう(普通のNASを使えばいい)が、セキュリティのためにインターネットに接続していない環境でBeeStationをファイルサーバーとして使うことも可能だ。また、ネット回線がつながらなくなってSynologyアカウントへのログインができない環境でも、BeeStationのファイルにアクセス可能になる。こうした使い方もできる、ということで覚えておいて損はない。緊急時に備えてローカルアカウントを作っておいて、損はないだろう。

■ セットアップポータルからローカルアカウントを設定する

 ローカルアカウントの設定も、いつものようにSynologyのセットアップポータルから行う。ログインして[…]のメニューから[システムの設定]を選択して設定画面を表示させ、[詳細設定]を選び、[ローカルアクセス]タブを表示させる。ここで[ローカルアカウント]をオンに切り替える。

 切り替えると、ローカルアカウントの作成画面が表示されるので、[ユーザー]に新規ユーザー名を、[パスワード]も設定してアカウントを作成する。このアカウントはLAN内のみで使い、インターネットの外部からのアクセスには使わない。パスワードは、それほど神経質に複雑にしなくても構わない。

■ ローカルアカウントでBeeStationを操作する

 ローカルアカウントが作成されたら、ウェブブラウザーのアドレスバーに、BeeStationに設定したIPアドレスを入力してアクセスする。

 第187回でIPアドレスを固定する方法を紹介したが、この設定が済んでいれば、IPアドレスにはLAN内で固定したIPアドレスが割り振られているはずだ。もし不明でも設定画面でIPアドレスを確認できる。ただ、固定していない場合には、IPアドレスが変わることがあるので注意してほしい。

 BeeStationのIPアドレスにアクセスすると、セットアップポータルと同じデザインのログイン画面が表示される。ただし、アドレスバーに表示されるURLの文字列が「~direct.quickconnect.to:6601~」ではなく、「~192.168.X.X:6600~」になるので、ローカルアクセスだということが分かる。ローカルアクセスだとハッキリ分かるようにしたいなら、このとき、一時的にインターネット回線を切断してみてもいい。

 ここで、先ほど作成したローカルアカウントでログインしよう。すると、設定画面が表示される。これで、ネット接続がなくても(セットアップポータルを介さなくても)、いつでもLAN内でBeeStationの設定などが可能になる。アプリメニューから[BeeFiles]を選べば、ファイルの操作も可能だ。

 この接続方法を使うと、回線トラブル時にアクセスできるだけでなく、LAN内からの操作もSynologyのサーバーを介さないので、多少だがレスポンスが良くなる。次回はドライブとしてマウントし、ファイル操作をしてみよう。

■ 今回の教訓(ポイント)

BeeStationにローカルアカウントを追加することで、LAN内だけでも利用できる

ローカルアカウントは回線トラブルや設定時に便利