ドコモの購入プログラム「カエドキ+」に潜む盲点、1年以内に再び割賦で機種変更する方法

AI要約

NTTドコモが導入したカエドキ+プログラムで、Galaxy Z Fold5からFold6への機種変更には落とし穴がある

割賦が申し込めない問題が発生し、解決策として返却申し込みの手続きと残債の精算を行う方法が紹介されている

手続きは変則的で説明不足だが、最新モデルを使いたいユーザーには重要な情報となる

ドコモの購入プログラム「カエドキ+」に潜む盲点、1年以内に再び割賦で機種変更する方法

 NTTドコモが、1年でお得に機種変更ができる「いつでもカエドキプログラム+」(以下、カエドキ+)を導入してから、間もなく1年が経とうとしています。最初に対象になったのは、フォルダブルスマホ2機種。サムスン電子の「Galaxy Z Fold5」「Galaxy Z Flip5」が、カエドキ+対応モデルとして発売されました。

 その後継機にあたる「Galaxy Z Fold6」「Galaxy Z Flip6」も、7月31日に発売されます。

 ところが、実際にカエドキ+でGalaxy Z Fold5からGalaxy Z Fold6に機種変更しようとしたところ、思わぬ“落とし穴”があることが発覚。

 予約はしたものの、このままだと購入手続きの際に、割賦が申し込めないことが判明しました。27万円を超える端末のため、一括購入はかなりハードルが高めです。Galaxyに限らず、同プログラムで購入したユーザーは同じ問題が起こる可能性もあります。

 ここでは、その詳細と解決方法を紹介していきます。

■ 1年に1回しか申し込めないドコモの割賦、発売が巻き上がると……

 2023年8月に導入されたカエドキ+は、早期利用料を支払うことで残価に加えて13回目から23回目の分割支払金が免除されるプログラム。12回分の支払いさえ済ませてしまえば、いつでも機種変更ができる“ギーク向け”の買い替え方法として導入時には注目を集めました。

 その後、ソフトバンクも「新トクするサポート(プレミアム)」として、ほぼ同じ仕組みを入れ、ドコモに追随しています。

 初代対応機種は、Galaxy Z Fold5/Flip5の2機種。その後は、iPhone 15シリーズやPixel 8シリーズなども、カエドキ+に対応しています。

 端末の入れ替えはあるものの、現在も、ハイエンドモデルを中心にカエドキ+が利用できる端末を取りそろえています。後継機は毎年ほぼ同じタイミングで投入されるため、毎年最新のモデルを使いたい人にはうってつけの仕組みでした。

 ところが、ふたを開けてみると、Galaxy Z Fold6/Flip 6は7月発売に。日本での販売開始が、例年より1カ月強巻き上がった関係で、Galaxy Z Fold5/Flip5を発売日に購入したユーザーは現状、まだ10回分しか分割支払金を支払っていない状態になります。

 13回目以降の残債は免除されるものの、11回目、12回目は支払う必要があります。

 とは言え、新機種が登場したら機種変更したくなるもの。

 Galaxy Z Fold6/Flip6はデザインも刷新しており、いち早くGalaxy AIの各種機能を体験できるのも魅力です。割賦が二重になってしまうと言っても、期間はわずか。Galaxy Z Fold5/Flip 5を発売日に購入したような人であれば、Fold6/Flip6も同様に入手したいと思うはずです。筆者も、そんなユーザーの1人です。

 ただ、ここに落とし穴がありました。

 実はドコモの場合、1年以内に申し込んだ割賦が継続している状態では、新たな割賦が組めないのです。前機種の登場から1年未満で後継機が出てしまったため、Galaxy Z Fold5/Flip5を発売日に入手した人は、Fold6/Flip6を発売日に割賦で購入できないというわけです。

 オンラインでは当たり前のように予約できてしまいますが、支払いの段階で割賦の申し込みができない状態になってしまいます。

■ 一括購入は割高、店頭精算だと端末が手元に残らず

 このルール通りだと、カエドキ+の場合だと、12回目までを支払い切ったあとでないと、次の機種を割賦で買えないことになります。つまり、Galaxy Z Fold6/Flip6のように発売日が前モデルより早くなってしまうと、1年が過ぎるのを待つ必要が出てしまいます。毎年、最新モデルに買い替えたい人にとっては、思わぬ誤算と言えるでしょう。

 ただし、利用できないのはあくまでも2回目の割賦。今回のケースだと、Galaxy Z Fold6/Flip 6を一括払いで購入することはできます。一方で、ドコモ版はSIMフリーモデル(オープンマーケットモデル)よりも価格は高め。残価が免除される「いつでもカエドキプログラム」(以下、カエドキ)を利用できないとなると、お得感が薄れてしまいかねません。

 ドコモでは、分割支払金をドコモショップで清算する仕組みがあるため、これを利用する手もあります。店頭でカエドキ+の返却を行ったあと、2カ月ぶんの残債をその場で払ってしまえば、次の機種をカエドキで購入することは可能になります。

 とは言え、この場合、手元からすぐに端末がなくなってしまうため、データ移行のハードルがグッと上がります。オンラインで端末を購入していた場合、新旧両方を並べて機種変更するということができなくなってしまうからです。

 1年以内に2回以上の割賦を組めない理由は不明ですが、おそらく不正対策のような意味合いがあるはずです。ただ、カエドキ+は約1年での機種変更を想定したプログラム。Galaxy Z Fold6/Flip6のように、何らかの事情で1~2カ月程度、前モデより発売が早くなる端末はあるはずです。

 たとえば、グーグルはPixel 9シリーズの発表を8月14日に行うことを予告済み。通常、Pixelは正式発表から発売まで、1~2週間程度で店頭に並ぶため、こちらもGalaxy Z Fold6/Flip6と同様、例年よりも早いタイミングでの登場になります。過去にも、似たようなことはありました。このようなケースを踏まえると、せめて2回目の割賦が組めない期間を10カ月以内にするなど、カエドキ+に合わせたルール変更が必要だった気がしています。

■ 返却申し込みからの残債精算で購入は可能に

 ただし、1つだけ方法があることも分かりました。

 それは、オンラインでの端末返却とドコモショップでの残債返済の合わせ技です。順番通りに手続きをしていけば、割賦の支払いがなくなり、1年以内に2回目の割賦を組めないという条件が外れます。この手を使えば、後継機の発売が1、2カ月程度巻き上がっても、再度割賦で購入することが可能になります。

 そのためには、まず「my docomo」でカエドキ+の返却手続きを取ります。この場合、ドコモ側から返却用のキットが送付されてくるので、それに端末を入れ、翌月末までに到着するよう、返却作業を済ませる必要があります。その際に、早期利用料を支払ってカエドキ+を適用するのを忘れないようにしてください。実は郵送の場合、この申し込みをした時点で残価および13回目から23回目の分割支払金がなくなります。

 「いやいや、端末を返さなければお金を払わなければいけないでしょ」……と思うかもしれませんが、万が一返却しなかった際に支払うのは端末の代金と同額の「違約金」。残価と13回目から23回目の分割支払金は、この時点で清算される仕組みになっています。これは、カエドキもカエドキ+も同じです。

 Galaxy Z Fold5/Flip5を発売日に購入したとすると、この段階でも11回目、12回目の分割支払金が残っています。これがある状態だと、まだ2回目の割賦を申し込むことはできません。この2カ月分を精算するには、ドコモショップを訪れる必要があります。返却手続きを終えたあと、ドコモショップで残債を一括返済すると、割賦そのものがなくなります。1年以内は1回までという条件が外れるのです。

 これで、晴れてGalaxy Z Fold6/Flip6をカエドキで購入することが可能になりました。ただし、これはあくまで申し込みが可能になったということ。実際に割賦を組むには、審査も必要になり、それを通過する保証がされたわけではない点には注意が必要です。

 やや変則的な手続きではありますが、これなら、カエドキ+で1年経っていない状態でも、次の端末を割賦で購入することができます。

 とは言え、オンラインで返却の申し込みをしたあと、ドコモショップに行って残債を返済するという手続きはかなり変則的。ルールを熟知していないと、思いつきもしないでしょう。また、カエドキ+の説明にも、こうした説明がないのも不親切な印象があります。

 最新モデルをいち早く使いたい人にとっては素晴らしい仕組みなだけに、その説明をもっと丁寧にしたり、手続きをもっと簡略化できる対応は必要だと感じました。