クラウドストライク関連の世界的システム障害、フライト欠航まだ続く

AI要約

世界的なシステム障害からの復旧作業が進む中、2200便以上のフライトが欠航した。

Windows搭載PCの不具合によるクラッシュが原因で、CrowdStrikeがアップデートを送信したことが問題の発端だった。

特にDelta Airlinesが影響を受け、乗客保護やカスタマーサービスの提供が求められている。

 7月19日に発生した世界的なシステム障害からの復旧作業を航空業界などが進める中、22日には2200便以上のフライトが欠航した。

 航空会社や空港のほか、病院、緊急通報システム、銀行、メディア企業を支える何百万もの 「Windows」搭載PCが19日にクラッシュした。サイバーセキュリティ企業CrowdStrikeがWindowsシステム向けに不具合のあるアップデートを送信したためだ。多くのユーザーは、「ブルースクリーン・オブ・デス」と呼ばれる青い画面を眺めるしかない状態に陥った。

 CrowdStrikeは、問題を迅速に特定し修正しており、同社のシステムは通常通り稼働しているため、ユーザーは引き続きサイバー脅威から保護されると述べた。「Mac」および「Linux」システムに影響はなかった。

 「この事態の重大性を理解しており、ご不便とご迷惑をおかけしたことを深くお詫びする」と同社は述べた。

 最高経営責任者(CEO)のGeorge Kurtz氏は、混乱に乗じて利益を得ようとするオンライン攻撃者に警戒するようユーザーに呼びかけた。

 「このような出来事を悪用しようとする敵対者や悪意のある人物がいることは分かっている」とKurtz氏は述べ、「誰もが警戒を怠らず、CrowdStrikeの公式担当者と連絡を取るようにしてほしい」と述べた。

 一方、この障害の影響はその後も続いた。

 フライト追跡サイト「FlightAware」(本記事掲載時点)によると、22日には2200便以上が欠航し、3万便以上が遅延した。19日には、これを上回る5000便以上が欠航、4万便以上が遅延していた。

 混乱の多くはDelta Airlinesが関係しており、22日の欠航便のうち約1000便を占めた。米運輸省には、同社の混乱と「容認できないカスタマーサービスの状況」に関する数百件の苦情が寄せられたと、Pete Buttigieg運輸長官はソーシャルメディア「X」への投稿で述べた。

 「Delta Airlinesに対し、すべての適切な乗客保護を行うよう明確に伝えた」と、同氏は投稿で述べた。

 同氏によると、Delta Airlinesには、再予約をしないことを選択した消費者に対して迅速な払い戻しを行うとともに、遅延や欠航の影響を受けた人に食事代や宿泊費を迅速に支払うこと、そして「適切なカスタマーサービスの支援」を提供する義務があるという。

 「誰も空港で一晩足止めをされたり、カスタマーサービス担当者と話すために何時間も保留状態にされたりすべきではない」とButtigieg氏は述べ、義務を果たさない航空会社については同省に報告するよう呼びかけた。

 Deltaは22日、システムの復旧に向けて取り組んでいると発表した。同社のITシステムの約半数がWindowsベースであり、ソフトウェアの不具合のためITチームが各システムを一つ一つ手動で復旧・再起動し、複数のアプリケーションを同期させて相互連携を再開させる必要があったという。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。