マイクロソフトに聞く、生成AIによる「金融大変革」のシナリオ、金融はどう変わるのか?

AI要約

Microsoftは生成AIを使った金融機関の支援に注力しており、生成AIが金融業界にもたらすインパクトについて語っている。

生成AIの進化やOpenAIのGPT-4oのリリースにより、コンピューターとのインターフェースは複数の情報を同時に処理できるようになり、ユーザー体験が大きく変わる可能性がある。

金融業界では、生成AIを活用して自動作成書類やポートフォリオ管理、顧客サービスの向上などが進むことが期待されている。

マイクロソフトに聞く、生成AIによる「金融大変革」のシナリオ、金融はどう変わるのか?

 「Microsoft Copilot」や「Azure OpenAI Service」はじめ、生成AIサービスの開発を加速させているマイクロソフト。そんな同社が注力しているのが、生成AIを使った金融機関の支援だ。生成AIは金融機関にどのようなインパクトをもたらすのか。マイクロソフトが描く金融変革のシナリオとは何か。日本マイクロソフト 業務執行役員 金融サービス事業本部 銀行・証券営業本部長 金子 暁 氏に話を聞いた。

 生成AIは驚くべきスピードで進化しています。産業革命に匹敵する技術革新が短いタームで次々に起きており、生成AIもその1つだと捉えています。OpenAIが5月にリリースしたGPT-4oも、そのインパクトはとても大きかったのではないでしょうか。

 従来、人間とコンピューターのインターフェースは、基本的にキーボードでした。しかし、GPT-4oはマルチモーダル化、リアルタイム化が進み、テキストや音声、画像など複数の情報を同時に処理できるようになりました。つまり、キーボードがなくてもコンピューターとやり取りできる世界が、すでに実現したのです。

 たとえば、ホームパーティーを開くとき、ECサイトにアクセスして、必要な食材や商品を選んで購入の手続きをするでしょう。それが今後は、「今日、ホームパーティーがあるんだけれど、夏らしい料理とワインが飲みたい」と口頭で伝えるだけで、おすすめの商品が画像や音声、テキストで提案される世界になるのです。

 これだけユーザー体験が変われば、マーケティングの手法も変わりますし、売り手側のメッセージアウトの方法も、さらには商品の作り方さえも変わるかもしれません。

 金融の世界も同様です。たとえば、チャットや会話で顧客情報を調べて生成AIに融資稟議書を自動作成させたり、顧客の証券口座を調べてポートフォリオを確認し、最適な株を自動的に発注したりすることも可能になるでしょう。

また、銀行口座の残高やカードの利用履歴を確認するときも、わざわざWebサイトにアクセスしてログインする必要もなくなるかもしれません。

 このように、生成AIが金融の世界を大きく変革するのは確実です。だからこそ我々は、その世界をお客さまとともに作っていきたいと考えているのです。