【プライムデー直前調査】Amazonと競合小売企業の強み・弱みをスコア化してみた

AI要約

Amazonと競合他社の小売企業が2024年のプライムデーセールに向けてそれぞれの独自の割引セールを計画している。ターゲットやウォルマートなど大手小売企業も参加し、小売業界全体が競争を繰り広げている。

財務面での成績では、Amazonが他をリードしており、新たなパートナーシップやAI技術の導入などで強化を図っている。ウォルマートもeコマース事業の拡大や特典の追加などで競争力を高めている。

美容品業界ではアルタが優れた業績を収めており、ディックススポーティンググッズやチューイーなども中間の成績を残している。

最新情報:Amazonは2024年のプライムデーセールを7月16日と17日に行うことを発表した。同社の発表に合わせて、大手小売の競合他社であるターゲット(Target)やウォルマート(Walmart)も同様に、独自の大幅割引日としてターゲットサークルウィーク(Target Circle Week)とウォルマートディールズ(Walmart Deals)を発表した。いずれもAmazonより数週間早くセールを開始し、プライムデーよりも早くショッピングの盛り上がりの波に乗れることを狙っている。さらに、プライムデーと競合しているのは大手小売企業だけではない。たとえばアルタ(Ulta)は、ビッグサマービューティーセール(Big Summer Beauty Sale)を開催し、ノードストローム(Nordstrom)もまた、プライムデーの前にアニバーサリーセール(Anniversary Sale)を行う。ほかの多くの小売企業も、プライムデーが推進する小売業者の特売「ホリデー」に便乗することをめざしている。

質問:あなたはAmazonと小売企業各社とをどのように比較しているか? それぞれの長所と短所は?

調査からの回答:

モダンリテールインデックス(MRI)は、新たなビジネス需要や経済ダイナミズムに直面する小売業界において、企業が不確実な時代に対応するためにデジタル戦略をどのように進化させてきたかを詳細に調査することを目的としている。この調査フレームワークは、小売企業のデジタル戦略の成熟度や範囲を分析するものであり、ビジネスのあらゆる側面における小売企業のパフォーマンス分析ではなく、デジタル能力としてeコマース体験(E-commerce Experience)、フルフィルメントの容易性(Ease of Fulfillment)、財務推進力(Financial Momentum)を中心にスコア化している。

財務面においては、Amazonが最高の財務成績を収め、総合評価でも1位にランクされている。巨大小売企業である同社の成功は驚くべきことではなく、同社は成長を加速するため新市場への参入を続けている。Amazonは2023年にShopify(ショッピファイ)およびメタ(Meta)とのあいだで、Amazon.com以外のサイトでもより多くの買い物ができる契約を締結した。こうした社外のパートナーシップを確立するとともに、プライムプログラムの特典を拡大したり、AI機能の向上に向けてアレクサLLM(Alexa LLM)と呼ばれる新たな大規模言語モデル(Large Language Model、LLM)を導入するなど内部能力の強化も進めている。

ウォルマートは大手小売企業のなかでも傑出していた。同社は2023年の景気下降を乗り越えるため、店舗販売以外の事業領域の強化を図った。eコマース事業においては、より多くの顧客を獲得するために新機能や特典を追加し、有料会員制プランを強化した。また、検索エンジンにAIを統合し、サードパーティーのマーケットプレイスを継続するなどオンラインツールの拡充も続けている。

専門小売店のグループの財務成績はさまざまだ。美容品カテゴリーは2023年、特にeコマースで財務状況を大きく改善した。アルタはこのトレンドの恩恵を受け、最高の業績を達成した。一方、ディックススポーティンググッズやチューイー(Chewy)は、中間の財務成績ランクに位置し、バーンズ&ノーブル(Barnes & Noble)は指数の下位4分の1に入った。

[原文:Research Briefing: Ahead of Prime Day, Amazon remains resilient against competitors]

Li Lu(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)

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