ワームホール、複数チェーン間で「ネイティブUSDT」の転送可能に

AI要約

ワームホール(Wormhole)プロトコルによって、USDTが複数のブロックチェーン間でネイティブ転送可能になった。

ネイティブ転送により、他のサービスより安い手数料でUSDTを転送できるようになり、転送先でガス代用トークンが不要に。

新システムの導入により、ワームホールを活用したUSDT転送システムが実現し、ユーザーはポータルアプリを通じて容易に利用可能。

ワームホール、複数チェーン間で「ネイティブUSDT」の転送可能に

クロスチェーンプロトコルのワームホール(Wormhole)で、テザー(Tether)社発行の米ドルステーブルコインUSDTが複数のブロックチェーン間でネイティブ転送可能になった。同プロトコルの公式ブログより7月9日発表された。

なおUSDTのネイティブ転送に対応するブロックチェーンは、イーサリアム(Ethereum)、アービトラム(Arbitrum)、ベース(Base)、オプティミズム(Optimism)、ポリゴン(Polygon)、BNBチェーン(BNB Chain)、アバランチ(Avalanche)とのことだ。

今回の対応により、これらのブロックチェーン間でUSDTのネイティブ転送が可能になった為、USDTの転送手数料は他のサービスと比べて安く済むという。さらに異なるブロックチェーン間でUSDTを転送する際に、転送先のブロックチェーンでUSDTを受け取る為のガス代用トークンが必要ないとのこと。

ラップやブリッジを使用した異なるブロックチェーン間でのトークン転送は、その為の手順やガス代が必要になるが、ネイティブ転送ではトークンを異なるブロックチェーン間で直接移動できる為、転送に必要な手順やガス代が不要になる。

発表によるとこのUSDTのネイティブ転送は、ワームホールによる新システムの導入により実現されたという。同転送は、ワームホールのクロスチェーン機能と、パンケーキスワップ(PancakeSwap)及びユニスワップv3(Uniswap v3)の流動性プールを活用して実行されるとのこと。

具体的には各ブロックチェーンに、xUSDT(ワームホールUSDT)とラップされたUSDTを取引する為のxUSDT/USDTプールが設置されているとのこと。このプールはパンケーキスワップやユニスワップv3の標準プールとして機能し、全ての流動性プロバイダーが参加可能となっている。

また一部の流動性プロバイダーは高い手数料を設定でき、他の流動性プロバイダーは低い手数料を設定できるという。これにより効率的な流動性の運用が可能となり、ユーザーは低コストでスムーズにUSDTを転送できるとのことだ。

そしてユーザーは異なるブロックチェーン間でのUSDT転送を、ワームホール提供のポータル(Portal)アプリを通じて行えるという。また開発者は、クロスチェーン転送を可能にする為のツールであるワームホールコネクト(Wormhole Connect)を使用して、USDT転送システムをアプリに組み込めるとのことだ。