グーグル、「Gmail」にAIアシスタント「Gemini」を統合

AI要約

GoogleのGeminiは、GmailにAI機能を統合して利用できるようになった。Geminiを利用することで、返信や受信済みスレッドの要約を依頼したり、特定の情報を探し出したりすることが可能になる。

GeminiはGmailのウェブ版やモバイルアプリで利用可能で、様々なオプションを提供している。Gemini 1.5 Proはコンテキストウィンドウが長くなり、処理できるトークン数が大幅に増加した新しいモデルだ。

GoogleはGeminiの統合を進めており、数日中にはウェブ版のGmailに表示される予定だ。モバイルアプリでも15日以内には表示される見込みだ。

グーグル、「Gmail」にAIアシスタント「Gemini」を統合

 「Gmail」で電子メールを管理するときに人工知能(AI)の助けを借りたくなったら、Googleの「Gemini」に頼めばいい。Googleは米国時間6月24日付のブログ記事で、Geminiをウェブ版とモバイルアプリのGmailに順次統合することを明らかにした。

 Geminiを利用できるのは、米国の「Google Workspace」のユーザーのうち、有料の「Google One AI Premium」プラン加入者か、有料アドオンの「Gemini Business」「Gemini Enterprise」「Gemini Education」「Gemini Education Premium」を利用しているユーザーだ。これまで、GmailでAI機能を利用するには「Google Workspace Labs」に参加するしかなかった。

 だが今後は、電子メールへの返信や受信済みスレッドの要約をGeminiに依頼できるようになる。また、このAIツールに質問して、受信トレイにある電子メールや「Googleドライブ」に保存されているファイルから特定の情報を探し出すこともできる。

 ウェブ版のGmailの場合は、Geminiは電子メール画面の右側にサイドバーとして表示される。「iOS」版または「Android」版のGmailの場合は、スレッドの上部にある「Summarize this email」(この電子メールを要約)をタップすると、Geminiの小さなパネルが表示される。Googleは、今回の発表の直前にも、「Googleドキュメント」「Googleスプレッドシート」「Googleスライド」、およびGoogleドライブにGeminiを統合すると発表していた。

 ウェブ版のサイドバーでは、「Summarize this email in more detail」(この電子メールを詳しく要約)「List action items from this email」(この電子メールのアクションアイテムを一覧表示)「Suggest a reply to this email」(この電子メールへの返信を提案)といったオプションが最初に提示される。また、「More suggestions」(その他の提案)を選択してさらにオプションを表示し、返信の下書きを作成したり作成を手伝ってもらったりすることもできる。新しい電子メールの作成に苦労している場合は、新規メッセージウィンドウ内にある、作成の支援を依頼するアイコンをクリックすればいい。

 さらに、提案されたオプションを利用するだけでなく、Geminiに直接質問することも可能だ。Googleは、「前回のマーケティングイベントで会社が使った費用はいくらですか」や「次のチームミーティングはいつですか」といった例を挙げている。質問すると、質問の答えがわかる電子メールをGeminiが抽出してくれる。

 Gmailに搭載されるAIモデルは、最新の「Gemini 1.5 Pro」だ。このモデルは、先代と比べてコンテキストウィンドウが長くなり、理解力に優れ、動作がすばやくなるなど、大幅に改善されている。Gemini 1.5 Proが処理できるトークン数は最大100万で、「Gemini 1.0」の3万2000から劇的に増加した。モデルが処理できるトークンが増えるほど、より適切な情報に基づく返答が得られる可能性が高まるため、これは重要な点だ。

 Googleは現在、Geminiの統合を進めているところだ。ウェブ版のGmailの場合、即時リリースを選択しているユーザーは数日中にGeminiが表示される予定だが、計画的リリースを選択しているユーザーは7月8日まで待つ必要がある。モバイルアプリでは、即時リリースおよび計画的リリースともに、今後15日以内に表示されるようになる見込みだ。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。