前澤友作氏「このままでは僕自身の人生計画が立てられない」スペースXと契約月周回飛行中止に

AI要約

衣類通販大手ZOZOの創業者で、株式会社カブ&ピース代表取締役社長の前澤友作氏が、民間人初となる月周回飛行を計画していた宇宙プロジェクト「dearMoon」を中止することを発表した。

前澤氏は、月旅行が実現する見通しがないことや自らの人生計画への影響を理由にプロジェクトのキャンセルを決断した。

「dearMoon」プロジェクトは、前澤氏がスペースXと契約して発表したもので、月周回計画には世界的アーティストが参加予定だった。

 衣類通販大手ZOZOの創業者で、株式会社カブ&ピース代表取締役社長の前澤友作氏(48)が1日、Xを更新。米国の実業家イーロン・マスク氏(52)が率いる米宇宙ベンチャー「スペースX」と契約し23年に予定していた、民間人初となる月周回飛行を計画している宇宙プロジェクト「dearMoon」について、プロジェクトを中止すると発表した。

 前澤氏は、Xでコメントを発表。「dearMoon中止の件。2018年に契約した時、2023年末までに月に飛べるってことでした。実現しなかったのは仕方ないとしても、今の時点になってもいつ飛べるのかの展望が全く出ていません。このままでは僕自身の人生計画が立てられないし」と、自らの人生計画に影響が出たと吐露。

 「誘ったクルーをこれ以上お待たせし続けるのも申し訳ないので、いろいろと悩みましたがこのタイミングでキャンセルすることにしました。楽しみにしてくれていた方には本当に申し訳ないです」と無念の思いをつづった。

 「dearMoon」プロジェクトは、前澤氏が米ロサンゼルスで18年9月17日(現地時間)に開いた会見で発表したもの。スペースXが開発を進める大型ロケット「Starship(スターシップ)」による、民間人初の月周回計画の全席の権利を前澤氏が取得。72年の米航空宇宙局(NASA)のアポロ17号以来51年ぶり、米国人以外で初めて、民間人としても初めての月旅行になると明らかにしていた。

 18年10月9日には、都内の日本外国特派員協会で会見を開き「dearMoon」は、宇宙を舞台にしたアート・プロジェクトであると説明。現代アートのコレクターとして知られる自らがホストキュレーターとして、各界を代表する画家、写真家、映画監督、ファッションデザイナーら最大8人の世界的アーティストを招待し、月旅行の中で月と丸い地球を見て受けたインスピレーションをもとに作品を創作するアートプロジェクトだとした。

 その後、21年3月3日には、同乗者はアーティストと限定せず、広く世界中から8人、公募する形に変更すると発表。22年12月9日早朝にはツイッター(現X)を更新し、dearMoonプロジェクトのメンバーを公募した結果、全世界249の国と地域から100万人の応募があり、その中から8人のクルーと2人のバックアップクルーが決まったと発表した。

 8人のクルーには、韓国の人気男性グループ「BIGBANG」のTOP(36)やDJのスティーブ・アオキ(46)といった世界的なアーティストも選ばれていた。旅行費用について、前澤氏は18年10月の会見の際は「今は答えられない」としたが、関係者は「700~1000億円」と明かしていた。