【追悼】中尾彬さん死去、親交があった女優が語る“再会できなかった息子”の成長

AI要約

俳優の中尾彬さんが心不全のため81歳で亡くなった。愛妻との仲睦まじい姿や終活についても話題となっていたが、最期は自宅で息を引き取った。

若い頃から俳優として活躍し、千葉真一さんとは学生時代からの面識があった。中尾さんは芸術や文学に造詣が深く、おおらかな性格であった。

読書が好きで、小説家と共演する際にはきちんと作品を読んで具体的な感想を述べ、また人前に慣れていない人を気遣う優しさも持っていた。

【追悼】中尾彬さん死去、親交があった女優が語る“再会できなかった息子”の成長

 5月16日に、心不全のため81歳で亡くなった俳優の中尾彬さん。

低い声と首に巻いた“ねじねじ”がトレードマーク、そして13歳年下の愛妻・池波志乃(69歳)とのおしどり夫婦ぶりで知られ、最近では夫婦での“終活”も話題となった。だが、今年に入ってから体調がすぐれず、自宅療養が続いていた。5月になり溶体が急変し、最期は自宅で池波に看取られ、眠るような旅立ちだったという。

 千葉県木更津市の出身で、武蔵野美術大学油絵科在学中に日活ニューフェイスに合格し、俳優としてデビューした。なお、高校の先輩には俳優の故・千葉真一さんがおり、

「千葉さんが大学時代に教育実習生として母校にやってきた際、中尾さんは在校生で千葉さんの授業に出ていたそうです。千葉さんは記憶になかったそうですが、その後芸能界でも先輩と後輩となり、中尾さんが『まじめじゃない生徒ですみませんでした』と謝ってきたと、うれしそうに語っていましたね」(亡くなる直前の千葉さんを取材した記者)

 中尾さんといえば、近年では貫禄ある風貌とその言動から昭和の頑固親父的なイメージで知られていたが、実際は油絵でフランス留学の経験もあるほど芸術や文学に造詣が深かった。その上、どんな人にも分け隔てなく接するおおらかな性格だったという。

「読書が大好きで、“終活”前は本が家の中にあふれ返っていて、階段にも積んでいたとか。また、テレビである小説家と共演した際、その方に会うということで作品を数冊きちんと読んできたらしい。収録の合間に『あそこが面白かった』と具体的に感想を話してくれたそうで、小説家はとても感激していましたね」(ベテランスポーツ紙記者)

 加えてこんなエピソードも。

「中尾さんの生前にある文化人が話していたのですが、その方が以前中尾さんご夫妻ととあるイベントで一緒になったときのこと。まだ人前に出ることに慣れていないのに気づいた中尾さんが、『もっと前に出たほうがいいよ。こういうところで顔を売らないと』と小声で話しかけて、前に誘導してくれたのだとか」(前出・記者)