5年国債利回りが15年ぶり高水準、0.63%-日銀利上げやオペ減額警戒

AI要約

5年国債利回りが15年ぶりの高水準に上昇。日銀の利上げ警戒感から売りが先行。

日銀の安達誠司審議委員は円安による消費者物価再上昇の可能性を指摘し、利上げペースの早める可能性を示唆。

内田真一副総裁がデフレとゼロ金利制約への終止符を視野に入れ、金融政策の正常化を意識。国内金利上昇による影響がグローバルな資金流れに及ぶ可能性。

(ブルームバーグ): 5年国債利回りが約15年ぶりの水準に上昇した。日本銀行の追加利上げや国債買い入れ減額への警戒感から売りが先行している。

29日の債券市場で新発5年債利回りは0.63%と、2009年11月以来の高水準を付けた。

日銀の安達誠司審議委員は29日午前、熊本県金融経済懇談会で講演し、円安の加速・長期化によって消費者物価が早期に再上昇する可能性があるとし、利上げのペースを早めることもあり得るとの見解を示した。

利上げペース早める必要も、円安で物価再上昇なら-安達日銀委員 (1)

27日には日銀の植田和男総裁が、日銀金融研究所が主催した国際コンファランスで、持続的、安定的な2%インフレ目標の実現に関して「インフレ予想を0%から押し上げることには成功したように思う」と述べた。同日、内田真一副総裁は「デフレとゼロ金利制約との闘いの終焉(しゅうえん)は視野に入った」との見解を示しており、金融政策の正常化が意識され、債券売りが続いている。

国内金利の上昇は外債中心の資金運用を行ってきた国内投資家の円債回帰を促し、グローバルな資金の流れに影響を与える可能性がある。

日銀は31日に定例の国債買いオペを実施する。23日のオペでは、残存期間1年超3年以下で購入予定額を応札額が下回る「札割れ」となった。中期債の需給逼迫(ひっぱく)が示されたことで、新発5年債が含まれる3年超5年以下の減額観測が高まっている。

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