「日常ではありえへんから“お笑い”は面白い」…元プラス・マイナス岩橋にダウンタウンが教えてくれた“破壊”の笑い

AI要約

ダウンタウンのトークの魅力について語る元プラス・マイナス岩橋良昌氏。松本人志のトークには破壊的な要素があり、設計力と破壊のバランスが見事に融合していると評価。

漫才やトークには人となりが問われることを指摘。松本人志のトークは設計力と突飛な破壊要素が絶妙に調和しており、自由で野性的な笑いが魅力的であると述べる。

ダウンタウンのトークはタブーにも挑戦し、大物芸能人にも容赦なく突っ込む姿勢が野性的な感覚として現れる。岩橋氏の笑いとの共通点を見つけ、感動している様子。

「日常ではありえへんから“お笑い”は面白い」…元プラス・マイナス岩橋にダウンタウンが教えてくれた“破壊”の笑い

----------

ダウンタウンに憧れて芸人になり、ダウンタウンは自分にとって”破壊神”だと力説する元プラス・マイナス岩橋良昌氏。前回記事「「ダウンタウンは僕にとって憧れの“破壊神”」元プラス・マイナス岩橋が語るダウンタウンの笑いの魅力」では、少年時代に心を鷲掴みにされたダウンタウンのコントについて、そして初めての彼らとの共演で自分の「笑いの答え合わせ」ができたことについて紹介してもらった。今回は、ダウンタウンのトークの魅力、そしてコンプラ重視の世の中で“破壊”の笑いはどうなっていくのか、岩橋氏が明かす。

----------

 ※『松本人志は日本の笑いをどう変えたのか』(宝島社)から一部抜粋してお届けします。

 繰り返しになりますが、僕は破壊が好きなんです。

 トークでも、松本さんからは破壊を感じるんです。話芸の天才と言えば、上沼恵美子さんや島田紳助さんもいらっしゃる。トークには、振り方、伝え方、オチなどいろいろな要素が散りばめられていて、持って生まれた才能に加え、設計力みたいなものが問われると思います。

 漫才も似たようなところがあって、起承転結が必要です。しゃべくりだからって、ずっとワーワー話していればいいってわけじゃなく、「はい、どうも~」から「もう、ええわ!」まで流れがあります。その台本に沿って漫才をしてしまうと発表会みたいになってしまうから、先述したように人となりが問われるんです。

 それって、テンションや話し方などいろいろな要素があると思うんですけど、僕は割と自由に暴れてきた。言わば、理性と野性がうまいことごっちゃになる のが理想的だと思うんですけど、松本さんのトークって、この二つがものすごい次元で融合しているなって思うんです。漫才じゃなくて、平場のトークでこれができるって信じられません。

 松本さんのトークは、ものすごく設計しながら、突然終わりを迎えるような ロジック無視の破壊がある。とんでもないボケの一言を放り込んで破壊する。トークって、その人の才能だと思うんです。しゃべり方、テンポ、言い回しと か、その人の才能で笑かしている。そこに破壊の要素がある気がして、僕は勝手に感動しています。

 ダウンタウンのお二人は、タブーに手を出すようなヒリヒリしたトークを展開される。大物芸能人にも臆することなく突っ込んでいく。どうなるかわからないところにハンドルを切ってしまう野性的な感覚というか。だから、僕の動物的な笑いも面白がってくれたのではないかと思うんです。