25歳のご長寿猫と10歳越えの弟猫2匹。一日一日が愛おしい。【シニア猫のお話】

AI要約

25歳のみけちゃんという長寿猫が、児童文学作家の家族と共に古民家で暮らしている。

みけちゃんは18歳でてんかん、23歳で腎臓機能低下という健康問題を抱えながらも日々をマイペースに過ごしている。

猫好きでなかった村上しいこさんが、24年前に偶然出会ったみけちゃんによって猫愛を知り、家族の一員として迎え入れたことが語られている。

25歳のご長寿猫と10歳越えの弟猫2匹。一日一日が愛おしい。【シニア猫のお話】

猫と一緒に暮らす人にとっては、家族のように大事にしている猫と1日でも長く暮らせるのは幸せなことです。その一方で、猫も飼い主も年齢を重ねていくことになります。

それでも、猫とともに暮らしてきた時間はかけがえのないものですし、シニアになった猫だからこそ、愛着もひとしおです。そこでミモレでは、シニア猫(ここでは10歳以上と定義)と暮らす人たちのお話に耳を傾けてみようと思っています。

今回登場するのは、三重県の古民家に暮らす、25歳のみけちゃん。24年前に、児童文学作家の村上しいこさんの前に突然姿を現し、今は村上さんの夫と、弟猫である13歳のピース、11歳のパレオと一緒に暮らしています。みけちゃんをはじめとした3匹の日常はインスタグラムで発信しており、フォロワー数は5.8万人。4月にはフォトエッセイ『25歳のみけちゃん』(主婦の友社)も発売されました。超長寿猫の希望の星として注目を集めるみけちゃんは、人間なら116歳。毎日、マイペースに暮らしています。

<飼い主プロフィール> 

村上しいこさん(50代)児童文学作家。パート勤めだった24年前、アパートの6階にあった部屋に突然入ってきた三毛猫がみけちゃん。以来、2回引っ越して、2匹の子猫(ピースとパレオ)を家族に迎え、今では古民家で村上さん夫婦と猫3匹暮らし。『かめきちのおまかせ自由研究』(岩崎書店)で第37回日本児童文学者協会新人賞受賞。その他、多数受賞。「みけねえちゃんにいうてみな」シリーズ(理論社)、『へんしんねこパレオ』(WAVE出版)、『ピースがうちにやってきた』(さ・え・ら書房)など、村上家の猫をモデルにした作品もあり。最新作は『資料室の日曜日 ~にげたひこぼしをさがせ!』(講談社)

 

<同居猫プロフィール> 

みけちゃん(25歳)三毛のメス猫。1999年、約1歳の時に住んでいた家の家族が引っ越してしまい、置いていかれる(村上さんの推測)。その後、当時村上さんが住んでいたアパートの駐車場に出没するようになる。ある日、6階の村上さんの部屋にしれっと入り、ソファで寝始めたことから村上家の“長女”に。性格はしっかり者で情が深く、あまり動じない。18歳でてんかんの発作を初めて起こし、23歳で腎臓の機能が少し低下しはじめる。歯はほぼあるのでカリカリごはんも問題なし。

ピース(13歳)アメリカンショートヘアのオス猫。2011年のある日、草むらの穴の中に落ち、仰向けになって足をバタつかせて鳴いているところを村上さんに発見される。あちこち探しても飼い主が見つからず、当時13歳だったみけちゃんの“弟”になる。神経質でシャイで人見知り。ただし、家族の前だと甘える。小さい頃は暴れん坊で、スーパーハイジャンプを繰り出すほど。今はすっかり落ち着いて物静かに。

パレオ(11歳)サバ白のオス猫。生後すぐに三重県内の保護団体で保護されていた子猫。2012 年に村上さんが『三重ふるさと新聞』の「猫もらってください」コーナーに載っていた、珍しい柄の子猫が気になって連絡したところ、その子はすでに里親が決まってしまっていたものの、「ほかにもたくさんかわいい子がいるんです。会うだけでいいので会ってくれませんか」と言われる。そこにいた、生後1ヶ月の子猫がパレオ。小さい頃から体が弱いものの、好奇心旺盛でマイペースの甘えん坊。

 三重県の古民家でとうちゃん(夫)と猫3匹と暮らしている、児童文学作家です。以前から、作家の情報発信ツールとしてSNSを使っていましたが、時々、うちのみけちゃん、ピース、パレオの写真をアップしていました。猫専用のアカウントを2023年11月に作ったら、みるみるうちにフォロワーが増え、作家アカウントをあっという間に追い抜かしていったのは、ちょっとした敗北感……。フォトエッセイの出版まで決まり、私自身が驚いています。うちの猫たちをモデルにした作品はありますが、一冊まるごとみけちゃんたちを紹介することになるなんて! 作家としての打ち合わせでは、本題に入る前の雑談として猫談義で盛り上がることはありましたが、このフォトエッセイの打ち合わせでは、本題はもちろんうちの猫たち。親ばか全開にできたので、とても楽しかったです。

私が小さい頃は、家に犬がいたこともあり、もしも一緒に暮らすちっちゃな生き物といえば犬だろうという感覚がありました。24年前に、当時住んでいたアパートの駐車場で推定1歳の三毛猫をみかけるようになったんです。ある日、台所にいた私が気配を感じて振り返ったところ、その猫がうちの中にいて、ソファで寝始めました。「なんでおるん?」とびっくりしましたし、夜に仕事から帰ってきたとうちゃんも「え、ねこ?」と驚いていました。

当時は私も夫も日中は外で仕事をしていたので、猫は家で留守番することになります。でも、自分から出ていくこともなく、家の中を荒らすこともありませんでした。数日後、その猫がケガをしていたことに気づき、動物病院に連れて行って治療をしました。そこで、「小さな子猫ならともかく、1歳の猫はもらい手がない」と言われたこともあり、みけちゃんと名付け、名実ともに村上家の猫になったのです。

 

 

みけちゃんはまるで、昔からうちで暮らしていたかのように馴染んでいきました。そして、少しずつ私に「猫ってこういう生き物だよ」と教えてくれました。さり気なくかわいい仕草を見せたりして、私をすっかり猫好きにしてしまったのです。