「外食恐怖症」公表した気象予報士・小林正寿「教育実習では給食を必死に飲み込んだ」ツラい過去を明かす訳

AI要約

大学時代にパニック障害を発症し、「会食恐怖症」「外食恐怖症」に悩む気象予報士の小林正寿さんの苦悩の過程が明かされる。

当時は病気という自覚がなく、レストランや閉鎖的な空間で食事をすることから強迫観念に苦しむようになり、親にも相談できない状況だった。

心療内科へのハードルが高かった時代で、ひとりで悩んでいたが、大学生活ではそれほど困らなかったものの、外出や食事を控える生活を送っていた。

「外食恐怖症」公表した気象予報士・小林正寿「教育実習では給食を必死に飲み込んだ」ツラい過去を明かす訳

『ZIP!』などの情報番組で活躍する気象予報士の小林正寿さん。大学時代に「会食恐怖症」「外食恐怖症」と呼ばれるパニック障害を発症しました。ところが、当時はまだ心療内科のハードルが高く── 。(全3回中の2回)

■教育実習の「給食」は本当につらかった

── 過去に「外食恐怖症」に悩んだ経験を公表されています。詳しくお聞きしてもいいですか。

小林さん:大学に入った頃に、「会食恐怖症」「外食恐怖症」といわれるパニック障害の症状が出るようになりました。

当時は、病気だという自覚はありませんでした。最初のうちはレストランなど、外で食事をしようとすると、なんとなく調子が悪くなるという感覚があって。そのうち「吐いたらどうしよう」と強迫観念にかられるようになりました。

症状が重いときは、レストラン以外でも閉鎖的な空間にいることに耐えられなくなりました。急行電車に乗ると空気が吸えなくなるような感覚があって、ドアのすき間に口を近づけていました。

当時は「会食恐怖症」「外食恐怖症」という名称も聞いたことがなかったし、パニック障害という病気もあまり知られていませんでした。実家を離れてひとり暮らしをしていたので、親は知らなかったし、相談もしませんでした。健康保険証を使ったことで親に知られたら心配をかけてしまうと思うと、病院にも行けませんでした。今と違って、精神科や心療内科のハードルが高かったんですよね。

── ひとりで悩まれていたのはつらかったですね。

小林さん:それほど悩んでいたわけではないんです。家にひとりでいるときは食べられますし、外で食事ができないことと急行列車で息苦しくなること以外は普通に生活できていました。大学生のうちは、外で食事ができなくてもそれほど困らなかったんですよね。大学には通っていましたが、サークルにも入らなかったし、食事会や飲み会の誘いは断っていました。たまに家族と一緒に食事に行くときは、飲み物だけ頼んだり、テラス席を選んだりしてしのぎました。