「ブラッシュアップライフ」演出家が仕掛ける違和感の連続、すべて伏線「あの人が消えた」 シネマプレビュー 新作映画評

AI要約

「あの人が消えた」は、突拍子もない展開が繰り広げられるミステリーホラー作品で、先読み不可能な展開が楽しめる娯楽作品だ。

「トランスフォーマー/ONE」は、新次元のリアルCGムービーで、オプティマスプライムとメガトロンの始まりの物語を熱血に描いた作品。

吉岡里帆が初めて吹き替えに挑戦するなど、視聴者を引き込む要素が満載の作品である。

「ブラッシュアップライフ」演出家が仕掛ける違和感の連続、すべて伏線「あの人が消えた」 シネマプレビュー 新作映画評

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■「あの人が消えた」

だまされた。監督・脚本がドラマ「ブラッシュアップライフ」(日本テレビ系)の演出家、水野格(いたる)。あのドラマを見た人なら、この突拍子もない展開も納得だろう。

「次々と人が消える」と噂されるマンションの担当となった配達員の丸子(高橋文哉)は、住人の小宮(北香耶)にあこがれ、挙動不審の住人、島崎(染谷将太)が小宮のストーカーではないかと疑う。

ミステリーホラー風味で始まるが、丸子のおせっかいな行動が短慮で、ムードにそぐわなくなっていく。すると、突然、種明かしが始まり別の世界観に突入する。なるほど、そうであったかと見ていると、また違和感が…。

丸子の職場の先輩、荒川(田中圭)の唐突な登場など、たくさんの違和感から何げないせりふまで、どれもがラストのための伏線になっており、「〝先読み不可能〟ミステリーエンターテインメント」という宣伝文句は、まさにその通りだ。

こういうオチは好きではないが、ありえない話でも納得させてしまう、強い力を持った娯楽作だ。

20日から全国公開。1時間44分。(健)

■「トランスフォーマー/ONE」

ロボット生命体が変身して活躍する「トランスフォーマー」シリーズ。主人公オプティマスプライムと宿敵メガトロンは、いかにして誕生したのか。その始まりの物語を、実写ではなくCGで熱血に描いた〝新次元リアルCGムービー〟。

過酷な日々も友情で乗りきるオライオンパックスとD-16。夢をもち冒険に出かけた2人を、残酷な運命が分かつ。光と影の典型的な物語だが、ハラハラ、ドキドキの要素が満載で、これをテンポのいい演出で見せる。ぐいぐい引き込まれる。実写ではなく、フルCGで作ったのも熱血度合いを高めるうえで奏功しているのではないか。

日本語吹き替え版で吉岡里帆が吹き替えに初挑戦。