「シンプルゆえに勝負が熱い!」昭和キッズが燃えた…ファミコン「対戦格闘ゲーム」の名作たち

AI要約

1984年に発売されたファミコンの対戦格闘ゲーム『アーバンチャンピオン』について紹介。

プレイヤーは主人公の男性を操作し、相手とのストリートファイトを楽しむ。

シンプルなゲーム性だが、深い戦略性や奥深さを持った作品で、後の対戦格闘ゲームの基礎を築いた。

「シンプルゆえに勝負が熱い!」昭和キッズが燃えた…ファミコン「対戦格闘ゲーム」の名作たち

 1992年にカプコンから発売されたスーパーファミコンソフト『ストリートファイターII』は、人気絶頂だったアーケード版を家庭用ハードへ見事に移植、その完成度の高さから“格ゲーブーム”の拡大に貢献した伝説的な作品となっている。 だが、本作が登場する以前のファミコン時代にも、実は数多くの名作格闘ゲームが登場していたことをご存じだろうか。今回は、昭和キッズを夢中にさせた対戦格闘ゲームを振り返っていこう。

 「ファミコン」といえば任天堂から発売されたゲームハードだが、その任天堂が手掛けた“対戦格闘ゲーム”も存在する。なかでもその独特かつシンプルな仕様で子どもたちを夢中にさせたのが、1984年に発売された『アーバンチャンピオン』だろう。

 本作は、ファミコンで発売された初の対戦格闘ゲームだ。プレイヤーは主人公の男性を操作し、数々の強敵を相手に“ストリートファイト”を仕掛けていく。

 初期の作品ゆえ、のちに登場する“必殺技”のような概念はまだなく、今ではお決まりのようになっている“体力ゲージ”も存在しない。

 本作では相手の攻撃を防ぎながらこちらのパンチを当て、いかに相手を画面端まで押し切るか……という、いわゆる“相撲”のようなルールが採用されている。シンプルなゲーム性だが、一方で対戦をするうえできちんと駆け引きが生まれるよう、さまざまな仕様が用意されているのが最大の特徴だろう。

 攻撃方法は“パンチ”のみだが、速度や威力が異なる2種類が用意されており、素早く繰り出せるものは当たりやすいがノックバックがなく、一方で遅いパンチはその分威力が高く設定されている。

 また防御もガード箇所を頭、ボディと切り替えられたり、ときにはあえて後退して距離を取ったりが可能。使用するボタンこそ少ないが、それでいてしっかりと奥深い“対戦格闘”を実現できるようになっているのだ。

 また、いわゆる“フィールドギミック”のようなものが用意されているのも斬新な点で、背景の建物から男が投げ落としてくる植木鉢に当たってしまうとスタミナを失い、一時的に操作不能になってしまう。

 シンプルだが、やればやるほどに技量が向上し、勝利できるようになっていく点は、ファミコン作品でありながら“対戦格闘ゲーム”の醍醐味をしっかりと実現している。のちに続く数々の“対戦格闘ゲーム”たちの始祖ともいえる、味わい深い一作だ。