戸塚純貴さん「気づいたら歳をとっていた、というのが理想です」。30歳を越えた今思うこと

AI要約

30代を迎えた俳優の戸塚純貴さんが、仕事に打ち込む中で感じる楽しさや責任の大きさ、そして新たな挑戦について語る。

戸塚さんは30代を迎えてからの2年でさらなる成長を遂げ、責任や負荷の増加を楽しみながら仕事に取り組んでいる。自身のペースで地道に努力を続けることの重要性について語る。

新たな挑戦として、三谷幸喜監督の映画への出演を経験した戸塚さん。先輩俳優方から刺激を受けながら、歳を重ねることについて意識を持たず自然な流れで進みたいと語る。

戸塚純貴さん「気づいたら歳をとっていた、というのが理想です」。30歳を越えた今思うこと

この夏、32歳を迎えた俳優の戸塚純貴さん。映画にドラマに舞台に、あらゆる方面から引っ張りだこの今、30代の駆け抜け方を聞きました!

俳優デビューは『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』。そこから現在まで、特にこの2~3年の躍進ぶりがものすごい戸塚さん。現在32歳。ところが自身は、時の経過を意識していないようで──。

◆責任や負荷の大きささえも楽しく思えます

──俳優キャリアの中でも、30歳を超えてからのこの2年、ご自身の変化はどのように感じていますか?

「さまざまな作品を経験させていただいて、だんだん責任も負荷も大きくなってはくるけれど、それさえもうれしくて、仕事がどんどん楽しくなってきているのを感じます。

“30代”がいろんな節目だとかなんとか言われることは多いけれど、僕自身は意識することなく、年齢のことを考えないくらい仕事に打ち込んできたともいえます。それはそれで、すごく幸せなことなのかな」

──では、やりたいことや野望はキャリアとともに変わってきましたか?

「もともと、大きな野望をもってガツガツ突き進むのが、すごく苦手なタイプで。かつては、マネージャさんから、もっと積極的に行ったほうがいいとお尻を叩かれていたくらいです。

ガツガツ行こうと思ってはみたけれど、無理やりやったところで続かない。だから、目の前のことに、ただひたむきに、真摯に向き合っていくだけ。その方法は、ずっと変わっていません。そうすれば、道はおのずと拓けてくる。マイペースにやってきたことが、うまく現実とかみあってきたのかな、とも思います。何か大きな変化を求めるより、地道に続けることが何より大事なはずですから。

特に新しい挑戦は楽しいけれど、それも気負いすぎないのが、僕のやり方です。失敗したら、次につながらなかったら…と考えてもなんにもならないし、ダメだったら、それはそれで仕方ない。まずはやってみないと、なにごともわからないんだし。そう考えるようにしています」

◆先輩方を見ていると、僕もまだまだこんなもんじゃないと思います

――新しい挑戦といえば、三谷幸喜監督の映画(『スオミの話をしよう』)への出演がありますね。

「『スオミの話をしよう』は、これまで体験してきた映画と異なり、舞台と映像とを合わせたような作品で、準備段階もこれまでにない経験でした。リハーサルは舞台の準備に近くて、本番1か月前から集まって何度も稽古を重ねたり。長回しが多くて緊張が途切れることはなかったし、初挑戦のダンスもありました。監督は、僕に新しい壁を提供してくれたんだなととらえて、楽しむことにしました。

それにしても、大先輩俳優方のダンスの頑張りがすごかった(笑)。立ち位置を覚えて、振りをそろえて、とても大変でしたけれど、映画の見どころのひとつになりました。先輩方を見ていると、僕もまだまだこんなもんじゃない、と思えます」

──先輩俳優方に影響を受けながらも、どのように歳を重ねていきたいとお考えでしょうか。

「年齢を意識したことがないと言いましたが、このまま続けていって、気づいたら歳をとっていた、なんていうのが理想じゃないかな。もう◯歳だとか、◯歳になったんだから、って、考えるのは、健康的じゃない気がします」

◆「床になる」リセット方法、働くみなさんにもおすすめですよ

──三谷幸喜監督は、「家族といるとき、仕事のとき、全然違う自分がいる」と発見したことが、映画『スオミの話をしよう』製作のきっかけだったと語っています。戸塚さんご自身は、オン・オフで異なる自分を感じることはありますか?

「あります、あります。みんな、あるんじゃないでしょうか。僕の場合はコミカルな役が多いせいか、演じているときは熱くなっているけれど、終わって家に帰ったとたん、ぐったりすることが多いんです。

そんなとき、いったん自分が“床になる”(笑)。帰って荷物を置いたら、床と一体化するくらいベターっと寝そべって、何もしない。少し時間がたつと、復活して、家のことをようやくやり始めます。この、“床になる”リセット方法、忙しく働くみなさんにもおすすめですよ。

仕事でしか見せない顔、家族にしか見せない顔、友達にしか見せない顔、誰にでもあるでしょう。主人公のスオミもそのひとりで、そうすることは彼女の優しさでもあり、素敵なところ。そして、最終的には“本当の自分”というものについても考えさせられます。

みなさん、忙しく働くほどに、休みたいときに休めなかったり、人づきあいが増えていくだろうけれど、こういう娯楽作品で、疲れを吹き飛ばしてもらえたら。スオミから、元気をもらえると思います」