千葉雄大インタビュー「小説は紙派?デジタル派?」「ルーティンはあえて作らない」

AI要約

千葉雄大が最近の舞台出演や演じている役について語る。

彼の演技への姿勢や舞台に対する考え、そして日々のルーティンについて明かす。

作品『ワタシタチはモノガタリ』を通して、自分の心地よい“居場所”を見つける良さについて述べる。

千葉雄大インタビュー「小説は紙派?デジタル派?」「ルーティンはあえて作らない」

2023年の『ジャズ大名』では音楽好きの藩主役で主演を務め、舞台でもエネルギッシュな魅力を放った千葉雄大。今回の『ワタシタチはモノガタリ』では、“イマジナリー彼氏”とアーティストの2役を演じる。多彩な彼は、本作でどんな一面を見せてくれるのだろうか。

 本作では“モノガタリ”をSNSで発表するという設定だが、小説を読むとしたら紙媒体とデジタルのどちらを好むのか、聞いてみた。

千葉 小説は紙ですね。最近は全然読書をしていないのですが、母がすごく読書好きでして、最近東京に遊びに来た時は『たぶん私たち一生最強』というタイトルの本を読んで「めっちゃ面白かった」といっていて、その本を残して宮城に帰っていきました。まずはそれを読んでみようかなと思っています。僕が子ども頃は子育てで忙しくて読んでいる姿を目にしたことはあまりありませんでしたが、大学生時代に住んでいた家にやってくると、本棚にある僕の本を手に取って「これを読んでいい?」というので、母のことを“読書の虫”と呼んでいました。

 僕自身は小学校の頃に親の前で国語の教科書を読む「本読み」という宿題があって、それが好きでした。どうしてなのかはわかりませんが、それが楽しかったんです。実は僕、中学生の頃は“いつかアナウンサーになりたい”という夢があって、声を発したいという気持ちは今も同じなんです。ついつい新聞の文章を朗読したくなってしまう(笑)。声を出して文章を読むという癖があります。

 表現する方法のひとつとしてYouTubeでWebラジオ「千葉雄大のラジオプレイ」を配信しているのも、子どもの時に抱いていたアナウンサーになるという夢を叶えるためだったのかもしれない。彼の夢は舞台で台詞を発することにも繋がっていると思うが、どんな思いで舞台に立っているのだろうか。

千葉 今日はダメだったなとか、今日は良かったんじゃない?とか、まだわからないとか、考える間もなく立っていたとか……、自分が思いもよらなかった境地へ連れて行ってくれることがあるかもしれない。それが面白いと思って演じています。今までに出演した舞台作品は、作品で描かれる時間が年単位とか、長いものが多い気がするのですが、今回の作品はわりと短い気がしていて、僕が演じる役は年齢的な積み上げがあまりない役なので、どういう人なのかを考えたり、妄想したりするのが楽しいなと思っています。“イマジナリー彼氏“ってどういう人なのでしょう。

 舞台に出る上でのルーティンはありません。正確にいえば、作らないようにしました。最初は決めてやっていたことがあったのですが、一つ乱れたことですごくパニックになってしまったので、やめました。流れに身を任せて、呼ばれたら行くという感じ。お稽古中は映像よりも始まりが遅いので、朝、ちゃんと起きよう!ぐらいですね。そうしないと1日が早く終わってしまうから(笑)。

 最後に、本作を通してどんなことを楽しんでほしいのか聞いた。

千葉 “ご自由に”ということを前提として話しますが、“居場所”ってあったらいいなと思います。誰かのところに会いにいくということでもいいし、何かをしているときでもいいと思うのですが、それを見つけることが人によっては難しい人もいると思います。僕の場合、“互助会”という遠慮をせずにヘルプをお互いにしようという会を作っていて、そういう居場所を作るのは何歳になってもできることだと僕は思っています。作品では富子さんのように物書きをする上で、いろいろな人と出会うという場所もあるし、彼女は書くことを楽しんでいるのだから、それ自体が自分の居場所なのかもしれないですね。僕はその互助会で過ごすのは心地がいいですが、居場所を一つの場所に限定しないことにしています。

 登場人物たちを俯瞰することで、あなた自身にとっての心地よい“居場所”が見つかるかもしれない。

千葉雄大(CHIBA YUDAI) 宮城県出身。特撮ドラマ「天装戦隊ゴセイジャー」で俳優デビュー。NHK大河ドラマ「平清盛」、ドラマ「アンメット」「星降る夜に」「いいね!光源氏くんシリーズ」などに出演する。映画では「殿、利息でござる!」で第40回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。ほかに「「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」「子供はわかってあげない」「もっと超越した所へ。」などに出演。

BY SHION YAMASHITA, STYLED BY KEN SAGAE AT EMINA, HAIR&MAKEUP BY SAYAKA TSUTSUMI

『ワタシタチはモノガタリ』

作:横山拓也

演出:小山ゆうな

出演:江口のりこ、松岡茉優、千葉雄大/入野自由、富山えり子、尾方宜久、橋爪未萠里/松尾諭

(東京公演)

会場:PARCO劇場

上演日程:2024年9月8日~30日

問合せ:パルコステージ TEL. 03-3477-5858

公式サイトはこちら

(福岡公演)

会場:キャナルシティ劇場

上演日程:10月5日~6日

(大阪公演)

会場:森ノ宮ピロティホール

上演日程:10月11日~14日

(新潟公演)

会場:りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場

上演日程:10月18日~19日