hitomiさん(48)子連れ同士で再婚して「今ならわかる、連れ子の娘にいちばんに寄り添うことの大切さ」|STORY

AI要約

40代のシングルマザーが再婚し、ステップファミリーとして新しい家族を築く過程を語る。

再婚から10年、娘との関係に悩み、自身の育児姿勢を見直す。

家族の絆を強化し、子育てや家事を夫と分担しながら、成長と学びを大切にしている。

hitomiさん(48)子連れ同士で再婚して「今ならわかる、連れ子の娘にいちばんに寄り添うことの大切さ」|STORY

ステップファミリーとは、子連れで再婚、同居してできた新しい家族のこと。40代のシングルマザーの再婚率は令和4年には1割を超え、年々増加しており、ステップファミリーも増えています。血の繋がりのない者同士が、どうやって新しい家族の形をつくっていくのかを、当事者のみなさんに語っていただきました。

■hitomiさん 48歳・東京都在住歌手、シンガーソングライター

hitomiさんが6歳の娘さんを連れて再婚したのは今から10年前。

「夫とは’13年に知り合い、すぐ娘にも会わせました。娘もなついていましたし、『お父さんが欲しい、兄弟が欲しい』とも言っていました。当時、私は37歳で、夫も私も早く子どもが欲しかったこともあり、結婚までスピーディに話が進み、翌’14年に結婚しました。ステップファミリーが家族としてうまくやっていくのは難しいということは聞いていましたし、経験された方から、『特に、連れ子と血のつながらない親との関係を築くには、最低5年はかかるよ』とアドバイスももらっていました。でも、再婚する方ってきっとみなそうだと思うのですが、前の結婚より幸せになるためにその道を選ぶわけです。同じように、娘も私も、結婚したら、今よりもっと楽しくなる、素晴らしい未来が待っているって、期待と夢にあふれていて、うまくいくことしか考えていなかった。けれど今となっては、その考え方は甘かったと思います」。

ご主人は子ども好きで、子育てにも熱心な人でした。結婚をして、養子縁組し、娘さんを実子として育てていくとなると、“ちゃんと礼儀をわきまえた子に”という気持ちも強くなっていきました。「挨拶ができない、返事ができない、というときなど、注意することも増え、それを娘は窮屈に感じている様子でした。私自身もどうしていいのかわからず、不安定になり、娘がきちんとできないのは私の育て方が悪かったのかもしれないと思い、娘に厳しく接するようになってしまったんですね」。

すると、学校から、娘さんが不安定な様子だと連絡がありました。どうしたらいいのかと悩んでいたところ、「母から『あなたたちの子育ては厳しすぎるのではないか』と指摘され、ハッとしました。もっと娘に寄り添って、娘ファーストにすべきだったのではないか、と気づいたのです。夫との間に長男が生まれ、娘だけが夫と血が繋がっていないのだから、娘は孤独に陥りがちだったんだろうと思います。本来であれば、血の繋がっている私が一番寄り添うべきだったのに、それができていなかった」。

その後、2人の息子さんが生まれ、ますます忙しくなりましたが、娘さんとたくさん会話をし、優先するようずっと心がけてきました。そうして、今では娘さんに、「ママが一番の友達」と言ってもらえるまでになりました。

「娘からすれば、大人の都合に振り回されて、嫌なこともあっただろうし、傷ついてもきたと思います。また、ここ数年は思春期で、物を壊したり、壁に穴が開くようなこともありました。これも自立への過程と理解して、ベタベタしすぎず、でも、話はいつでも聞くようにしてきました」。

子育てや家事は、ご主人と分担してこなしているそう。「私が子育てに専念するという選択肢もありましたが、自分が働く姿や、歌って世の中にメッセージを送る姿を子どもに見せていくのが自分らしいと思い、続けてきました。だから、これからも、子育ても、『hitomi』も全力でやっていきたいと思っています。夫も私も、子育てに関して、こうするべきというものを強く持っているので、意見が食い違うことも。そんなときは遠慮することなく、ときにぶつかっても、しっかり話し合い、思いを伝え合うようにしてきました。娘も夫と向き合い、話をするようになりました。まだまだ安定しているとははっきり言えない部分もあるけど、ようやく私たちの家族のカタチができてきた気がしています。今、ようやくスタート地点に立てているのかな?私たちの場合、5年ではなく10年かかりましたが、本当にたくさんのことを学んだ年月でした。これから、男の子たちが思春期に入っていくので、まだ問題は起きるかもしれないけど、そのつど向き合って、乗り越えていきたいと思っています」。