録音技師が〝耳で見た〟 「THE FIRST SLAM DUNK」には映画音響の究極がある 再上映へ急げ!

AI要約

映画録音技師の根本飛鳥が、映画『THE FIRST SLAM DUNK』の音響面での魅力について語る。

根本飛鳥は、作品の音響精度の高さに驚き、興奮を覚えた経験を共有。

音響演出の笠松広司の存在や、作品の究極音響映画としての魅力が強調されている。

録音技師が〝耳で見た〟 「THE FIRST SLAM DUNK」には映画音響の究極がある 再上映へ急げ!

映画録音技師の根本飛鳥と申します。普段は映画の撮影現場で役者さんのセリフを同録(カメラが回っている時に同時に録音すること)することをなりわいとしています。今回は、なんと8月13日から全国380スクリーン以上(!)で開催されている「THE FIRST SLAM DUNK」の〝復活上映〟を記念し、音響面での魅力を語らせてください。

2022年の劇場公開当時に本作をTOHOシネマズ六本木で鑑賞し、その音響の精度の高さに驚愕(きょうがく)するとともに、過去に経験したことのない興奮を鼓膜に味わい言語能力を奪われ、鑑賞後しばらく「スラダンやべーっす、あんな音を自分も実写でやりたい……」とつぶやくだけの生物になってしまいました。

普段は仕事の延長線上で作品音響のディレクションやらもするわけですが、「THE FIRST SLAM DUNK」には、僕が「映画音響ってこういう感じがかっこいいよな~」って日々ぼんやり思い描いていることがほとんど投下されていて、さらにそれが最大限の力を発揮して作品を突き動かす、正に「究極音響映画」になっていると思うのです!! だからこの記事を読んでくれたそこのアナタ! 未見の方はもちろん、「スラダンはもう家で見たしな~」ってそこのアナタ!! もういい、あと1分でこの記事を読んだら即座に立ち上がって劇場に「行っけー!!!!!(リョータがドリブルで抜くとこね)」って僕は(君が好きだと)叫びたいので、もうちょっとだけお付き合い願います。

「THE FIRST SLAM DUNK」の音響を語る上で絶対に外せない人物が、音響演出を担当している笠松広司さんです(笠松さんの経歴作品をたどるだけでも非常に深淵なる音の旅に出られるのだが、長くなるのでまた別の機会に……)。今作は、この笠松広司率いる最強アニメーション音響集団の究極的なこだわりと美意識(feat. 10-FEET)が起こしたビッグバンであることは間違いありません。