「フォールガイ」スタントマンの偉大さが胸にしみる一作!五輪でやったトム・クルーズは〝最高の映画バカ〟

AI要約

パリ五輪での閉会式に登場したトム・クルーズのスタントについて述べられている。クルーズは自らスタントを行い、映画のような演技を披露した。

映画「フォールガイ」についての紹介。スタントマンが主人公の物語であり、スタントマンの厳しい仕事に焦点が当てられている。

監督のデヴィッド・リーチがスタントマン出身であり、スタントマンのリスクや苦労、映画業界の裏側が描かれている。トム・クルーズもスタントに挑戦し、映画への愛情が感じられる。

「フォールガイ」スタントマンの偉大さが胸にしみる一作!五輪でやったトム・クルーズは〝最高の映画バカ〟

【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。パリ五輪が11日(日本時間12日)に閉幕しました。閉会式にはハリウッドスター、トム・クルーズが登場して大きな話題になりましたね。競技場の屋根に現れ、そこからワイヤアクションで降下し、スタジアムに降り立った姿はまさに映画のようで震えました! スタントも自らこなす、アクションスターのタレント性を見せつけられましたね。

 さて、今回は映画さながらのアクションを披露したトム・クルーズに関連し、スタントマンにスポットを当てた大ヒット公開中の映画「フォールガイ」を紹介します。

 今作はライアン・ゴズリング演じるスタントマンのコルトが主人公。ワイヤを使ったビルからの落下シーンで事故が起き、大けがをする場面から映画は始まります。そこから必死でリハビリに努め、かつて交際していた元カノの初監督作でハリウッドの現場に復帰します。ところが、その現場で主演俳優が突如失跡。陰謀に巻き込まれますが、スタントのスキルで挑んでいくという物語です。

 メガホンを取ったデヴィッド・リーチ監督は、実はスタントマン出身の方なんですよね。スタントマンって名もなき仕事で、途中でケガして下半身不随になっちゃったとか、頭打って亡くなっちゃったとか、そういう人たちが映画の裏側にはたくさんいるんです。そんな日の当たらないところのドラマをいつか自分が描きたいと願い続けた、監督の渾身の一作となっています。ハリウッドスターの影の役。危ない仕事は全部やる。できて当たり前、できなかったらケガして終わる。褒められることがあまりないスタントマンという仕事の悲哀と、映画業界のあしき習慣をきちんと描いている素晴らしい映画だなと思いました。

 ハリウッドスターってケガをしちゃうと作品全体の撮影に影響が出てしまう。だからこそスタントマンがいるんですが、トム・クルーズはそれをあえて自分でやります。自身がお金を出してスポンサーになることで、スタント挑戦を可能にするんですよ。閉会式の姿からもそんな彼の映画への愛とハリウッドイズムをすごく感じましたね。尊敬を込めて“最高の映画バカ”と呼びたいです。

 ハリウッドスターの安全と撮影全体を守るスタントマンの偉大さが胸にしみる一作です。鑑賞を機に、エンドロールに載るスタントマンの名前にも今後注目してあげてほしいと思います。