テレ朝『高校球児ランキング』は「一線を越えた」のか…「不特定多数の一般人」を含むアンケートを「テレビ局が勝手に行い、勝手にランク付け」

AI要約

特番『サンドウィッチマンの禁断ランキング 高校野球ファンが選ぶ高校球児ランキング』が放送される。

内容は、1万人の高校野球ファンによる歴代のスゴい高校球児のランキングを発表するもので、過去の名シーンも振り返る。

テレビ朝日が定番のランキング特番を量産する中、今回の特番は一線を越える可能性に触れながらも疑問を投げかけている。

テレビ朝日は番宣を兼ねて、現在開催中の夏の甲子園に関連した特番を放送しており、過去にも様々なランキング特番が放送されてきた。

放送されるランキング特番は視聴率を意識した選定が行われている様子が見て取れる。

ランキング特番が度重なる中、なぜ量産されるのか、批判があるにも関わらず背景にはどんな要因があるのかといった疑問が浮かんでくる。

テレ朝『高校球児ランキング』は「一線を越えた」のか…「不特定多数の一般人」を含むアンケートを「テレビ局が勝手に行い、勝手にランク付け」

10日(土)18時30分から3時間30分特番『サンドウィッチマンの禁断ランキング 高校野球ファンが選ぶ高校球児ランキング』(テレビ朝日系)が放送される。

その内容は「高校野球ファン1万人に“歴代のスゴいと思う高校球児”をアンケート調査!80年代から、90年代、2000年代以降と、ファンの記憶に残るスゴい球児ベスト10を、各年代ごとに大発表!貴重映像とともにランクインした選手の名シーンを振り返る」。MCにサンドウィッチマン、SP見届け人に中居正広、ゲストに伊集院光、ティモンディ、長島三奈らを迎えて放送される。

これは現在開催中の『第106回全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)』に絡めた特番であることは一目瞭然だが、試合中継に加えてダイジェスト番組『熱闘甲子園』がテレビ朝日系列で放送されているため、番宣という意味合いも大きい。いずれにしても過去に放送された『アメトーーク!』などでの特集も含めて、「民放で夏の高校野球と言えばテレビ朝日」というイメージがあるのではないか。

今回の特番がランキング形式であることも実にテレビ朝日らしい。古くは平成初期に放送された『はなきんデータランド』から、現在まで約15年にわたって放送されている『お願い!ランキング』のほか、今回のような“ランキング特番”も量産されている。

この1年程度で同じサンドウィッチマンがMCを務めたものでは、今年4月13日に『サンドウィッチマンの禁断ランキング 日本人と外国人で比べてみた!好きな麺チェーン店ランキング』、昨年12月23日に『今夜ついに決定!1万人が選ぶ 令和平成昭和 好きなお菓子ランキング』、昨年10月7日に『1万人が選ぶ!ついに決定!令和VS平成VS昭和 アニソンランキング』がすべて視聴者の多い土曜ゴールデンタイムで放送された。

テレビ朝日は『○○総選挙』という、もう1つのランキング特番も放送している。

こちらもこの1年で、今年8月5日に『旅好き1万人&旅のプロが選ぶ!涼しい観光名所総選挙』、今年4月29日に『外国人が選ぶ 好きな日本の温泉地 総選挙』、今年4月21日に『アニメ好き外国人がガチで投票!世界アニソン総選挙』、昨年12月11日に『国民1万人がガチで投票!アイス総選挙』、昨年10月9日に『国民1万人がガチで投票!城下町総選挙』、昨年8月5日に『ファン1万人がガチで投票!高校野球総選挙2023』が放送された。

また、これまで『○○総選挙』シリーズでは、『ラーメン』『お菓子』『駅』『漫画』『テレビゲーム』『プロレス』『戦国武将』『冷凍食品』などが放送されてきた。良く言えば多種多彩だが、悪く言えば節操がなく、視聴率を獲れそうなものが選ばれてきた様子がうかがえる。

2つのランキング特番はアンケートの分母がほぼ同じ1万人である上に、視聴者がわかる棲み分けの基準はない。実際この半年間で「アニソン」をどちらもピックアップしたことからそれがわかるだろう。「長年放送され続けている爆笑問題とウエンツ瑛士がMCの『○○総選挙』が飽きられ、批判されないように、好感度抜群のサンドウィッチマンがMCの『禁断ランキング』を立ち上げて併用している」というニュアンスがうかがえる。

その是非はさておき今回の『高校球児ランキング』は、「ランキング特番を乱発するあまり、一線を越えてしまうのではないか」と感じさせられるところがある。はたして、何が一線を越えるかもしれないところなのか。

さらに、ランキング特番が放送されるたびにそのコンセプトや結果に「やってほしくない」「おかしい」などの批判が飛び交いながらも、なぜ量産されているのか。その背景にはどんなことがあるのか。