江口のりこが壊れゆく人妻を演じる映画『愛に乱暴』。期待の若手俳優・水間ロンも出演

AI要約

俳優・江口のりこが主演を務める映画『愛に乱暴』が8月30日(金)から全国で公開される。

映画は、作家・吉田修一の傑作小説を監督・脚本した森ガキ侑大が手掛け、個性豊かな俳優陣が名を連ねている。

主人公の桃子を演じる江口は、壊れていく主婦を美しくも哀しい怪物ヒロインとして演じ、新境地に到達している。

桃子の丁寧な暮らしの中で起こる不穏な出来事や精神的な葛藤が描かれ、平穏だった日常が乱され始める様子が物語の中心に位置する。

予告編では、桃子の狂気を象徴するシーンなどが収められており、物語の緊張感が伝わってくる。

森ガキは、原作を読んで映画化する意味を感じ、社会の中で孤立している人々や生きづらさをテーマに作品を制作し、喜びとプレッシャーを感じながら取り組んだとコメントしている。

江口のりこが壊れゆく人妻を演じる映画『愛に乱暴』。期待の若手俳優・水間ロンも出演

俳優・江口のりこが主演を務める映画『愛に乱暴』が、8月30日(金)から全国で公開される。

映画『愛に乱暴』は、『悪人』『怒り』などで知られる作家・吉田修一の傑作小説を、海外の映画祭の賞も多数受賞している森ガキ侑大が監督・脚本を務めた作品。丁寧な暮らしで日々のストレスを解消させる主人公を江口、そんな妻に無関心な夫の真守を小泉孝太郎、何かにつけて干渉してくる義母を風吹ジュン、夫の愛人を馬場ふみかが演じる。

そのほか、近所のアパートに暮らすホームセンターの店員を水間ロン、主人公が講師を務める手作り石鹸教室の社員に青木柚、主人公の勤めていた会社の元上司に斉藤陽一郎ら、個性豊かな俳優陣が名を連ねている。

◇「今」映画化する意味がある作品

映画や舞台、ドラマなど途切れることなく出演している俳優・江口のりこ。シリアスからコメディまで、大きな振り幅でリーチが取れる実力派だ。本作『愛に乱暴』では、不穏な出来事により居場所を奪われ壊れていく主婦を、美しくも哀しい怪物ヒロインとして入魂の演技を見せ、新境地に到達している。

江口が演じる桃子は、夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で幕らしている。夫の真守とは結婚して8年になり、子どもはいない。義母から受ける微量のストレスや夫の無関心を振り払うように、センスのある装い、手の込んだ献立などいわゆる「丁寧な暮らし」に勤しみ毎日を充実させていた。

そんな桃子の周辺で不得な出来事が起こり始める。近隣のゴミ捨て場で相次いで不審火、愛猫の失踪、不気味な不倫アカウント……桃子の平穏だったはずの日常は、少ずつ乱れ始める。

予告編では、ホームセンターで購入したチェーンソーを持ち出す江口演じる桃子の狂気が印象的だが、監督の森ガキは同作についてコメントを発表している。

この原作を読んだ時に「今」映画化する意味があると強く感じました。

現代は生産性ばかりを求めている社会が存在していて、世の中の隅に追いやられ孤立している人がいる気がしていました。主人公の桃子は社会の中で葛藤を抱き、もがきながら一生懸命に生きています。桃子の姿は時にユーモラスで、時に刺激的で読んでいる自分の心を動かしました。

原作者である吉田修一さんとお会いし、映画化を許可して頂いた時の喜びとプレッシャーは今でも心の奥に残り続けています。(森ガキ侑大)