江口のりこが乱れゆく女へと変貌していく妻を怪演『愛に乱暴』狂気がにじむ場面写真

AI要約

吉田修一の傑作小説を映画化した『愛に乱暴』が江口のりこ主演で公開される。

物語は主人公の桃子が日常の平穏さを失う中で、床下への異常な執着を見せ始める展開に緊迫感が満ちている。

江口の振り切った怪演や森ガキ監督の演出により、観客を引き込むヒューマンサスペンスが描かれている。

江口のりこが乱れゆく女へと変貌していく妻を怪演『愛に乱暴』狂気がにじむ場面写真

「悪人」「怒り」で知られる吉田修一の傑作小説を、江口のりこ主演、森ガキ侑大監督で映画化した『愛に乱暴』が8月30日(金)より公開となる。このたび、主演の江口が暴走する場面写真と著名人からの絶賛コメントが到着した。

本作は、息もつかせぬ緊迫感に満ちたヒューマンサスペンス。夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす桃子(江口のりこ)は、“丁寧な暮らし”に勤しみ毎日を充実させていた。そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始める。平穏だったはずの日常は少しずつ乱れ始め、やがて追い詰められた桃子は、いつしか床下への異常な執着を募らせていく。

人間の複雑な感情とその裏に隠された本質を鋭く炙り出してきた吉田の同名小説を、『おじいちゃん、死んじゃったって。』(17)、『さんかく窓の外側は夜』(21)の森ガキ監督が映画化。主演は唯一無二の存在感とユニークで高い演技力を持つ江口。共演には小泉孝太郎、風吹ジュン、馬場ふみから個性豊かな俳優陣が名を連ね、江口扮する主人公を追い詰めていく。江口の振り切った怪演により、息もつかせぬ緊迫感に包まれたヒューマンサスペンスが誕生した。

近隣で相次ぐ不審火、愛猫の失踪、そっけない夫の態度、過干渉の姑、挨拶を返さない隣人、不穏な不倫SNSアカウント…と、日々のストレスを溜めこみながらそれらを振り払うように“丁寧な暮らし”を心がけ、良き妻、良き嫁を演じていた江口扮する主人公の桃子。場面写真では、そんな桃子がついに暴走を開始する様子が切り取られている。理不尽な目に合わされ続けた桃子がいよいよ覚醒したかのように、真っ赤なリップを無表情で塗る姿、丸ごとのスイカを抱え愛人宅に突撃する姿、チェーンソーを傍らに畳をはがし床下に潜りこむ姿、床下を徘徊する姿、そして夜の町を駆け抜ける姿など、規律を守って生きてきた桃子が、危うさ全開で暴走。ひときわ目を引くのは、赤いチェーンソーを大事そうに抱きかかえ、泥だらけの姿で床下に横たわる姿だ。一体なにがあったのか。なぜ桃子はチェーンソーを手にしたのか。そして床下へ執着する真意は?なお、“床下ゆりかご”写真は、8月9日(金)から9月5日(木)まで、新宿ピカデリーとなんばパークスシネマの巨大柱装飾に掲出される予定。劇場に立ち寄った際はぜひチェックしてみてほしい。

さらに、江口のナチュラルな狂気に各界から称賛の声が届いているほか、森ガキ監督は江口の役作りについて、「江口さんは、下準備をしてから現場で仕上げていくアプローチ。撮影を重ねるにごとに桃子像にリンクしていった。現場で『桃子ならこうするんじゃない?』と多数のアイディアを出してくれました。たくさん議論を交わし、実際に江口さんのアイディアを採用して脚本を変えた部分もあります」と撮影秘話を明かしている。

“間違いなく江口のりこの代表作”との呼び声も高い『愛に乱暴』。彼女の持てる技のすべてを注ぎ込んだ熱演・怪演を、固唾を飲みながらぜひスクリーンで目撃してほしい!

■<著名人コメント>

●伊藤さとり(映画パーソナリティ、映画評論家)

「どこまでが偽装?なにが真実?愛についてのあれこれが江口のりこによって掻き乱される。このトリックを一度で見破れるか。それは言葉から服からほつれ出す」

●岩松了(劇作家、演出家、俳優)

「これこそ義理の嫁の話。観始めたときは『江口のりこ、頑張ってるな』だったのが 観終わる頃には『桃子さん、頑張って!』になってた。 『セーラー服と機関銃』ならぬ『桃子とチェーンソー』割烹着?いやいや、桃子には着るべき服がない!」

●岡山天音(俳優)

「『映画』すぎました。格好良い映画でした。表現が格好良すぎます。人物に語らせていないのに人物が語りまくっています。これを書きながら、なんだか文章が上手くまとまりません。それは僕の語彙力の問題なのか、まっさらでこの映画と出会ってほしいからなのか、わからない。人生って怖い!悲しい!最悪!でもこの映画は最高」

●SYO(物書き)

「不条理を丁寧にかき混ぜて、型に流し込んで出来上がった見た目はすべすべ、中身は醜く凝り固まった男性優位社会。主婦を《おかしく》したのは本当に周囲の《個人》なのか? 本映画の文法で、埋められた澱を掘り起こす反語の一作」

●児玉美月(映画文筆家)

「必死にしがみついていたものを手放してみても、人生は案外しぶとく続くかもしれない。 映画が幕を閉じるとき、始まりを告げる狼煙が上がる。『愛に乱暴』の放った炎が飛び火して、あなたの燻る心を焦げつかせてゆく」

●早川千絵(映画監督)

「暴走する女のヒリヒリした孤独。痛い。でも愛おしい」

●ひらりさ(文筆家)

「夫は無関心。姑も冷たい。 しんどい。ひりひりする。息が詰まる。限界を迎えて暴走する桃子には、一種の魅力がある。『もっとやれ』と思ったし、こちらもつられそうになった。それでも。孤独に駆け抜けた桃子が到達するラストには、とてつもない人間愛が込められていた。愛に愛を返してもらえない辛さを抱えつつも、自暴自棄になりきれずに必死に生きている人たちへの、心からのエール。 桃子、あなたも私も幸せになれるよ。絶対に」

●光石研(俳優)

「森ガキ組が江口のりこに挑む。脅し、突き放し、追い詰め、泥まみれ。しかし、彼女は全く動じない。しっかり森ガキ映画を牛耳ってる。ラストの江口のりこの顔は必見!僕はこれからも、変わらず江口さんのファンを続ける」

文/サンクレイオ翼