浜中文一「注目を浴びるとダメなんですよ」写真も苦手、芸能活動を続けられる理由

AI要約

1999年から芝居を中心に活動している俳優の浜中文一さん。アイドルから脱却し、写真撮影などが苦手な一面を持つ。しかし舞台では人を楽しませることに喜びを感じている。

浜中さんは写真撮影や被写体になることが苦手であるが、それでもアイドル時代からの経験を活かし、舞台での演技に熱意を持って取り組んでいる。

舞台を通じて、毎回異なる経験や演技に挑戦し、新鮮な気持ちで臨むことが大切だと語る浜中文一さん。

浜中文一「注目を浴びるとダメなんですよ」写真も苦手、芸能活動を続けられる理由

1999年から芝居を中心に切磋琢磨しており、現在はフリーの俳優として活動する浜中文一さん。グラビア、ステージ、舞台と、さまざまな表現の場で経験を積み、独特の個性が光る浜中さんが語る、THE CHANGEとは。【第3回/全4回】

  1999年から “歌って踊るアイドル”だった、俳優の浜中文一さん。黄色い声援と熱視線を全身で浴び、アイドル雑誌では極上の笑顔を披露することが当たり前の職業だが、そんな過去が疑わしいほど、浜中さんは「アイドルになりたくて入ったわけではないし、目立ちたくないタイプなんです」と話す。

「僕はほんとうに被写体になるのが苦手なんです。写真や、出来上がったポスター、映像を観るのも、めっちゃイヤなんですよ。自分でも写真を撮らないし、写真でなにかを残すみたいなことも、ぜんぜんないんです。だから、写真を撮られている時間がなかなか苦痛ですね」

ーーさきほど写真を撮らせてもらいましたが、どんな心境でしたか?

「いまのはもう“自然な感じで”と言っていただけたので、めちゃめちゃ気持ちが楽でした!」

ーー芸能活動するにあたって、「被写体になるのが苦痛」は、たいへんなことではないですか。

「そうですね。でもまあ、だいぶ慣れました。最初のころはみんなで撮る、みたいなことが多くて、笑わせ合いながら撮影できていたので、それでごまかせていました。いまはひとりになって、“なにかポーズをください”と言われると、いつもポーズなんて取らないから”どういうポーズがいいですか?”と聞くようにしています」

  かつての浜中さんのグラビアを見ると、水面下でそんな苦悩があったとは思えないほど立ち姿が美しい。が、本人は念を押すように「僕、注目を浴びるとダメなんですよ」と続ける。

「プライベートでも、みんなで喋っていて僕に話を振られるとか、苦手ですもん。そういう人がなんでこんな業界にいるのかな、と思いますけど。なぜかと言われると……なぜですかね。でも、人を楽しませることは好きなんです。だからかなあ」

「人を楽しませる」の醍醐味は、現在も生業にしている舞台で味わった。2013年『音楽劇 ザ・オダサク』で舞台デビューして以降、あまたの舞台を経験した。

「舞台は苦手な写真とちがって、生だから、通り過ぎていく新幹線みたいなものじゃないですか。オープニングからラストまで。全部を鮮明に覚えているかといったら、なかなかそういうわけでもない。だから気楽なんですよ」

ーー臨場感がお好きなんですか。

「そうなんですかね。僕は毎回同じことをやらないタイプなので、飽き性というわけではないけど、同じことをやり続けるのはあまり好きじゃないというか。一瞬で冷めてしまうから、なるべくちょっとでも変えていきたいんです」

「舞台は生物(ナマモノ)」という言葉がある。形が残り続ける写真とは対象的な舞台の世界だからこそ、浜中さんの鮮度命の演技が、映えるのではないだろうか。

はまなか・ぶんいち

1987年10月5日生まれ、大阪府出身。1999年より芸能活動を開始し、2017年に卒業。2023年12月31日にSMILE-UP.を退所し、現在はフリーランスとしてテレビや舞台など幅広く活動。2013年『音楽劇ザ・オダサク』で初舞台を踏み、2016年にミュージカル『50 Shades~クリスチャン・グレイの歪んだ性癖~』で初主演を務め、数多くの舞台経験を積む。8月17日より主演を務める『ブラック・コメディ』が上演開始。

有山千春