怪演ブレイクからの急失速…「女優・田中みな実」は本当の意味で「女優」になれるのか?

AI要約

田中みな実が女優としてのキャリアについて、転機や評価の変化を振り返る。ブレイク作から最近までの作品や批評、そして作り手との関係に焦点を当てる。

田中みな実が女優としての方向性や評価について悩んでいる様子を明かしており、彼女を巡る興味と期待の変化を示唆している。

作品に関する批評や演技についての意見、特に「イロモノ役」に固まったイメージについて考察し、田中みな実に対する見方の変容を明らかにする。

怪演ブレイクからの急失速…「女優・田中みな実」は本当の意味で「女優」になれるのか?

田中みな実が「女優」になって数年が過ぎた。なぜ「数年」という言い方をするかといえば、どこが転機かが曖昧だからだ。

ブレイク作品は2020年の「M 愛すべき人がいて」(テレビ朝日系)だが、当時はまだ女子アナのイメージが強かった。また、19年に発売された写真集「Sincerely yours...」がロングセラーとなったことで、若き美魔女的な注目もされていた。

そんななか、このドラマが終了した翌月、事務所をテイクオフからフラームに移籍。前者は宮根誠司や羽鳥慎一が所属するアナウンサー事務所で、後者は戸田恵梨香や有村架純が所属する女優事務所だ。

先日放送された「ボクらの時代」(フジテレビ系)では、移籍した際、

「バラエティを一度手放しましょう」

という方針を伝えられたと説明。実際、23年には「あざとくて何が悪いの?」(テレビ朝日系)のMCを卒業して、バラエティー番組のレギュラーがなくなった。

「ボクらの時代」では、こんな悩みも明かしている。

「今、MCやってないのも、なるべく離れた仕事をしているのは、いつまでたってもフリーアナウンサーの、って言われることがけっこう、私はストレスで」

つまり、事務所も本人も「女優・田中みな実」をアピールしたいようなのだが――。その評価が最近、芳しくない。

7月末には『「イロモノ役しかハマらない」田中みな実、1周まわって元どおり? 美のカリスマから凋落か』(週刊女性PRIME)というネットニュースが配信された。そこでは現在出演中の「ギークス~警察署の変人たち~」(フジテレビ系)について「シングルマザーを演じていますが、まるで母親感がないツヤ肌メイク」(テレビウオッチャー)というコメントが紹介されている。

このドラマは若手演技派の松岡茉優が主演で、田中と滝沢カレンが脇を固めている。ネットでは3人の演技力を比較して「松岡茉優の無駄遣い」だとする声も出た。

なお、田中は現在「ブラックペアン2」(TBS系)にも出演中。こちらは「治験コーディネーター」の役だ。18年に放送された第1作では、この治験コーディネーターをカトパンこと加藤綾子が演じていた。加藤がやっていた「木下」は管理職になっていて、そのかわりに田中扮する「椎野」が現場に来るという設定だ。

田中同様、局アナ出身の加藤はこれが連ドラ初出演。しかし、意外とソツなくこなしたため、今回の田中よりよかったとする声もある。

また、4~6月期に放送された「Destiny」(テレビ朝日系)でも、賛否両論が。公式サイトいわく「20年の時をかけるサスペンス×ラブストーリー」ということで、メインキャストたちは青春期から演じていたが、田中は大学時代に交通事故で亡くなってしまう。それゆえ、実年齢の37歳より十数年も若い役としてのみの出演ということに。「女子大生に見える」「ああいう女子大生いるよね」という声もあったが「違和感しかない」「さすがにきつい」という声もあがった。

そんな3作品に共通するのは、作り手が田中でウケを狙っているかのような使い方だ。

「Destiny」での女子大生役には「なんでそこまで若作りさせるのか」というツッコミが飛んだし「ブラックペアン2」での治験コーディネーター役リレーには「これって女子アナ対決?」という盛り上がりが起きた。「ギークス」についても、田中と滝沢カレンがかつて「グータンヌーボ2」(フジテレビ系)のMCを一緒にやっていたことから「会話のシーンがグータンみたい」という感想が。

3作がそろってこうだと、偶然とは思えない。「イロモノ役しかハマらない」というより、作り手がもう彼女にイロモノ役しか期待していないのではないか。

これはブレイク作がいわゆる「怪演」だったこと、それに対し、普通っぽい芝居で結果を出せていないことが大きいのだろう。後者には「最愛」(TBS系)や「あなたがしてくれなくても」(フジテレビ系)があるが、今ひとつしっくりこなかった。

そして、ここに「女優・田中みな実ブーム」の本質が見える。世間は彼女を一種の怪物ととらえ、その暴れっぷりを面白がりたいのだ。