坂本冬美の『モゴモゴ交友録』柳沢慎吾さん(62)&彦摩呂さん(57)ーー初バラエティ番組での “素人MC” を救ってくれた

AI要約

柳沢慎吾さんと彦摩呂さんとの初めての出会いを振り返る。柳沢さんと彦摩呂さんの個性や活躍を紹介。番組『u・fu・fu』での思い出を語る。

当時の苦しい時期に、番組が救いとなったことを振り返る。柳沢さんと彦摩呂さんのおかげで笑顔を取り戻した思い出。

20年以上が経った今も、柳沢さんと彦摩呂さんの活躍を讃えつつ、再会を楽しみにしている気持ち。

坂本冬美の『モゴモゴ交友録』柳沢慎吾さん(62)&彦摩呂さん(57)ーー初バラエティ番組での “素人MC” を救ってくれた

 柳沢慎吾さん、彦摩呂さんのお2人に初めてお会いしたのは、わたしがメインMCを務めた歌とトークのバラエティ番組『u・fu・fu』(1998年、よみうりテレビ・日本テレビ系)です。

ーーなぜ、わたしがメインMCに?

 三木たかし先生からいただいた『夜桜お七』のリリースが1994年ですから、坂本冬美という名前も少しは知られるようになっていたと思いますが、それにしてもです。

 毎回、ゲストの方とお会いできるのは刺激になるし、すごく嬉しいけれど、トーク力にはまるで自信がないし、うまく場を回す力はありません。

 大人の事情というやつが、絡み合いもつれ合い、結果、わたしを大抜擢していただいたのでしょうが、いくらなんでも無謀です。無茶です。ゼッタイに無理です。

 きっと、プロデューサーさんも同じ結論に達したのだと思います。とりあえずわたしが真ん中に座りますが、わたしに代わって場を回せる人をアシスタントにつけよう、ということで白羽の矢を立てられたのが、柳沢さんと彦摩呂さんのお2人でした。

 柳沢さんは今と変わらず、番組が始まる前も番組中も、番組が終わってからも、ずっとしゃべりっぱなしです。大袈裟ではなく、本当にもう、ず~~~~~っとです(笑)。

 柳沢さんといえばこれ。「あばよ!」を目の前で見せていただき、ピーポーピーポーの “ひとり警察24時” “ひとり甲子園” では、お腹がよじれるほど笑わせていただきました。

 学生時代、みんながテレビにかじりつくようにして観た連続ドラマ『ふぞろいの林檎たち』(TBS系)で演じられたミノルの印象が強すぎて、最初はそのギャップに、ただただびっくりです。

 彦摩呂さんといえば……「うわーぁ。宝石箱やぁ」と、目を真ん丸にしてグルメリポートをする姿を思い浮かべる方が多いと思いますが、当時はシュッとしたスリムなモデル体型で、かわいい顔をしたイケメンアイドルです。

ーーまさかでしょう!? だいぶ、話を盛っているよね?

 唇の端を上げ、薄く笑った方は、下の3ショットの写真をご覧ください。左が柳沢さん、真ん中がわたしで、右が彦摩呂さんです。どうです!? 驚きましたか。

 思い返すと、番組が始まったこの時期は、わたしの人生のなかでもっとも苦しいときでした。

 父を亡くしたショックで、心は叫び声を上げていました。虫垂炎で緊急入院したうえに、急性膵炎を患うなど、体も悲鳴を上げていました。心も体も疲れ果て、ボロボロの状態でした。

 そんなとき月に2回、何も考えずに、ただ笑っていられたこの番組は、わたしの救いになっていたような気がします。それもこれも、柳沢さんと彦摩呂さんが話を盛り上げ、場をうまく回してくださったおかげです。

 あれから二十数年……。柳沢さんは、今も変わらずピーポーピーポーの “ひとり警察24時” や “ひとり甲子園” を披露して、みんなを笑わせています。

 元祖グルメリポーターとして確かな地位を築いた彦摩呂さんは、柔道100kg超級に出場できるほどの体型に変身しましたが、今も食べて食べて、また食べて。柳沢さん同様、我が道を突き進んでいらっしゃいます。

 柳沢さん、彦摩呂さん、その節は本当にお世話になりました。今はそれぞれに忙しくされているので、いつとはいえませんが、近いうちにぜひ同窓会をしましょう。お2人にお会いできるのを楽しみにしています。

さかもとふゆみ

1967 年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、最新シングル『ほろ酔い満月』が好評発売中!

写真・中村 功

取材&文・工藤 晋